以前わたしが大いに悩んだのは足の悪臭です。それはそれは強烈なニオイで、周りに迷惑になっていないか気になって仕方がありませんでした。そんなわたしですが、たった4つの対策で足の臭いとサヨナラできました。
その4つの対策とは、靴のローテーション、通気性の良い靴を選ぶ、ソックス二重履き、毎日足洗い、です。この記事では、通気性の良いビジネスシューズの使用経験などをご紹介します。
<当ページはアフィリエイト広告を利用しています>
概略
足の悪臭の原因は、皮膚常在菌の産生する「イソ吉草酸」です。臭い対策は、皮膚常在菌を増殖させないことです。そのためには、皮膚常在菌の増殖に必要な水分と栄養分を絶つ必要があります。栄養分となるのは汗、皮脂、角質です。
通気性の良く靴を使用すれば、足や靴が乾燥しやすくなります。すると栄養分が靴に浸み込まなくなります。また完全に乾燥すれば多くの細菌は死滅します。
通気性の良いビジネスシューズにもいくつかのタイプがあります。足の甲側のメッシュで通気するタイプ、足の甲側のゴアテックスで通気するタイプ、靴底に小さい通気口があるタイプ、靴底に大きな通気口があるタイプ、などです。大きな通気口のタイプはとくに通気性が優れています。
個人的には、大きな通気口のタイプを愛用しています。しかし足の臭いを解消するには他の対策と組み合わせる必要があります。つまり、靴のローテーション、通気性の良い靴を選ぶ、ソックス二重履き、毎日足洗い、などを組み合わせましょう。
通気性がニオイの根本的対策となる理由
通気性の良い靴を使うと、足の臭いを解消できる理由を説明します。それは臭いが放出されて発散するからではありません。それでは根本的な解決になりませんよね?
じつは通気性の良い靴を使えば、悪臭の元を断ち切ることができます。その理由はなんでしょうか?
理由は次の6つのステップで解説します。
- 皮膚常在菌の産生する「イソ吉草酸」がクサイ
- 靴も臭い場合、皮膚常在菌が靴にも住み着ている
- 水と栄養分を絶てば皮膚常在菌を退治できる
- 水と栄養分のもとは汗・皮脂・角質
- 乾燥すれば細菌は増殖できない
- 乾燥すれば靴に栄養分がしみ込まない
足の臭いの原因は皮膚常在菌
足の悪臭の根本原因は、ズバリ皮膚常在菌と呼ばれる細菌たちです。皮膚常在菌が活動すると「イソ吉草酸」などの脂肪酸ができます。人間がオナラやウンチをするのと同じようなものです。この「イソ吉草酸」が独特の汗臭いニオイの原因となります。
これで、足が臭う原因はお判りいただけましたね?でも、足だけでなく、靴も臭っていたりしませんか?
じつは、それは非常にまずい状態です。どういうことでしょうか?
足の臭い、靴も臭いは危険信号
実際には足のニオイがきつい人は、靴も臭うことが多いです。わたしもそうでした。そういう場合は、皮膚常在菌が靴にも住み着いてしまった状態です。
こうなると、皮膚常在菌を足と靴の両方で退治する必要があります。そうしないと靴から足、足から靴と皮膚常在菌が移動しながら、皮膚常在菌は増え続けます。
では、どうすれば皮膚常在菌を退治できるのでしょうか?重要なのは水と栄養分を絶つことです。
水と栄養分がなければ細菌は増殖できない
細菌が増殖するには、水と栄養分が必要です。高度の乾燥状態では多くの細菌は死滅します。ごく一部の乾燥に強い菌も、芽胞というカプセル状になり休眠状態になります。つまり増殖は出来なくなります。
栄養分が無い時も、細菌は活動できません。体を作る材料や、活動するためのエネルギー源が無いからです。
水と栄養分のもとは汗・皮脂・角質
では皮膚常在菌はどこから水や栄養分を得ているのでしょうか? それは汗、皮脂、角質です。ですから、足のニオイを抑えるには、皮膚常在菌に汗、皮脂、角質を与えないことが重要です。
では皮膚常在菌に汗、皮脂、角質を与えないにはどうするのでしょう?そこで重要になるのが、靴の通気性です。
乾燥で皮膚常在菌を退治
通気性の良い靴を使用すると、靴や足が乾燥しやすくなります。乾燥すると、皮膚常在菌をやっつけることができます。どういうことでしょうか?
水分がなければ殆どの細菌は死滅
先ほど述べたように、水分がまったくなければ殆どの細菌は死滅します。完全に乾燥しなくても、増殖できなくなったり、細菌数が減ります。これによって皮膚常在菌が臭ーい「イソ吉草酸」を産生するのを防げます。
汗が乾けば、靴に養分が届かない
大量に汗をかくと、汗が靴にも浸み込みます。汗には皮脂や角質の成分が溶け込んでいます。すると細菌にとって、汗の浸み込んだ靴は栄養分だらけの天国と化します。こうなると靴が臭い、足も臭いの悪循環に陥ります。
ところが、汗がすぐ乾いてしまえば、靴にまで栄養分は届かなくなります。靴下で食い止めることができるからです。靴で細菌が増殖するのを防げます。
通気性の良いビジネスシューズは2系統で4タイプある
では、通気性の良いビジネスシューズについてご紹介します。通気性の良い靴には、ざっくりわけて2系統4種類の靴があります。
- 甲の部分で通気する系統
- メッシュで通気するタイプ
- ゴアテックスを採用したタイプ
- 底面で通気する系統
- 小さい通気口のタイプ
- 大きい通気口のタイプ
では、順に紹介しましょう
メッシュで通気するタイプ
足の甲や側面部分がメッシュ状になっているタイプです。目に見える大きさの孔が多数開いていることで通気性を確保しています。
良い点
このタイプの良い点には次の2点があります。
- 値段が手ごろ
- 通気部位のバリエーションが豊富
このタイプは値段がお手ごろです。安いものであれば3000円台で見つけることも可能です。
また、通気孔の配置のバリエーションも豊富です。通気孔が全体つまり甲部分と側面にあるもの、足の甲部分にあるもの、靴の前側にあるもの、靴の後ろ側にあるものなど様々です。
ですから、汗をかきやすい部分に応じて通気口の部位を選ぶことができます。
良くない点
このタイプの良くない点には次のような点があります。
- 一目でわかる独特な外見
- 雨に弱い
- 足の裏側の通気性は劣る
このタイプは、通気孔があるのが一目でわかります。見た目が気になる方にはお勧めしません。
また、大きな孔がたくさん開いています。ですから雨が降ってくると中まで濡れてしまいます。屋外で使用するには注意が必要です。
メッシュタイプの靴は、足の甲側や側面の通気性は優れています。しかし足の裏側についてはやや劣ります。実際、わたしが使用したときは、つま先の足裏側はビショビショのままでした。
わたしの様に「つま先の足裏側」に大量の汗をかくタイプの方は相性が良くないかもしれません。
しかし上側は網目、底側に大きな通気口という複合タイプもあります。
主な製品
下の製品はつま先から踵側まで底面以外ほぼ全体に通気孔が開いているタイプです。価格も4000円前後と手ごろです。
下の製品は、網目状のデザインのおかげで、孔自体は多少目立ちにくくなっています。
下の製品は足の甲部分のみ孔が開いているタイプです。側面に穴が無い分水たまりで浸水しにくくなります。
下の製品はつま先には穴が開いていないタイプです。全体に穴が開いているタイプでは爪先がスースーしすぎて気になる方に向いています。
下の製品は、大きな通気口が数個だけ開いているタイプです。集合体恐怖症(小さな穴や斑点などの集合体に対する恐怖症)の方は、こちらを検討しては如何でしょう。
ゴアテックス採用タイプ
シューズの上側の部分に、目に見えない微細な孔が開いているタイプと考えれば大体あってます。その孔は、蒸気は通すのですが水滴は通しにくい性質があります。ですからある程度の防水性があります。
メッシュタイプと異なり、見た目には普通の革靴です。
良い点
ゴアテックスを使用したタイプの良い点は次の通りです。
- 見た目は普通の靴
- 雨に強い
ゴアテックスを使用したビジネスシューズは、見た目は普通の靴です。メッシュタイプの外見が気になる方にはおススメできるポイントです。
ゴアテックスは、水蒸気は透過し、水滴は通さない素材です。ですから通気性と防水性を両立しています。メッシュタイプと比べて圧倒的に雨に強いです。しかしゴアテックスは完全防水ではありません。大雨などの際は浸水する可能性があります。過信は禁物です。
良くない点
ゴアテックスを使用したタイプの良くない点は次の通りです。
- 高価
- 足裏の通気性は劣るかも
ゴアテックスを使用した靴はやはり値段が高くなります。基本的に1万円台は覚悟しておきましょう。
また、メッシュタイプと同様に足裏の通気性は劣る可能性があります。足裏の汗が多い方には効果が不十分となる可能性があります。
高い買い物になるため、自分の汗の量と分布は確認しておきましょう。
主な製品
マドラスウォークはゴアテックスを搭載した防水シューズブランドです。種類は豊富で、スタイルも良いです。ですが、やはりお高い・・2万円前後は覚悟しましょう。
リーガルにもゴアテックス採用靴はあります。多少フォーマルな場面でも違和感のないスタイルですが、こちらも2万円台は覚悟しましょう。
スニーカーでおなじみのアシックスもゴアテックス採用品を出しています。しかし堂々の2万円越え。
テクシーリュクスはアシックス商事の靴です。ゴアテックス採用品でも価格は1万円前半からとややお手ごろになります。なおアシックス商事は(株)アシックスの子会社です。決して怪しい会社ではありません。
ビジネスシューズの定番である通勤快足にもゴアテックス採用品があります。こちらは靴底の通気口も併用しているタイプで、より高い通気性が期待できます。価格も1万円台前半から中盤位です。
小さな通気口のタイプ
小さな通気口のタイプは、かかと部分や、土踏まずの部分などに小さな孔が開いている靴になります。
歩くたびに通気口から外気が取り込まれるかたちで通気性を確保しています。
良い点
小さな通気口で換気するタイプの良い点は次の通りです。
- 見た目はほぼ普通の靴
- 比較的手ごろな製品もある
小さな通気口のタイプは、通気口が目立たない製品が多いです。見た目は普通の靴と変わりありません。
価格帯は一番安いもので4000円くらいからです。わたしが某紳士服店で購入した製品は8000円くらいでした。安いとは言えませんが、ゴアテックス製品よりは手ごろです。ただし、通勤快足のようにゴアテックスも使用した複合タイプもあります。こうした製品は価格も1万円を超えてきます。
アルコウカは比較的手ごろな価格になっています。
良くない点
通気孔が小さいタイプの良くない点は次のとおりです。
- 通気性は歩行距離に依存する
- 通勤快足はやや高め
小さな通気口のタイプは、歩くことで外気を吸い込むタイプになります。ですから歩く距離が少ない人には効果が実感しにくいです。
わたしの場合、大学病院勤務時に比べ、リハビリ病院勤務では歩行距離が大幅に短くなりました。そのためこのタイプの靴では足が蒸れるようになってしまいました
デスクワーク中心で殆ど歩かない方は、この後紹介する大きな通気口タイプのほうが良いでしょう。
主な製品
アルコウカは一番手ごろな価格帯です。だいたい4000円台です。
ミドリ安全の製品は通気性と静電・帯電防止の複合タイプです。ドアでバチンとくる静電気が減るなどの効果もあるそうです。価格はおよそ8000円台から。
通勤快足のようにゴアテックスも使用した複合型のシューズは高級品です。1万円を超えてきます。
大きな通気口のタイプ
大きな通気口のタイプは、靴底のかなりの部分が通気口になっています。わたしが愛用しているタイプです。
良い点
大きな通気口のタイプの靴の良い点は次の通りです。
- 抜群の通気性
- 値段が手ごろ
靴底に大きな通気口が開いているタイプは、とにかく通気性が抜群に良いです。
普通の革靴では1日でビショビショになる私の足でも、靴下がしっとり湿気を帯びる程度になりました。
このタイプの靴も価格帯が手ごろなのがうれしいです。大体4000円台から入手可能です。3足以上そろえることを考えると、安いのは非常に大きなメリットです。
良くない点
大きな通気口のタイプの良くない点は、次のとおりです
- 靴底が見えると一目でばれる
- 水たまりで浸水するリスク
上から見る分には普通の靴ですが、足を組んだりすると底が見えてしまう可能性はあります。靴底は非常に特徴的なので、一目でわかってしまいます。足の蒸れやニオイに悩んでいることを隠しておきたいなら気を付けましょう。
靴底側に穴が開いているので、水がしみ込みやすいです。とくに昔のモデルは防水性がありませんでした。しかし、最近のモデルはある程度の防水性があるようです。ただし完全防水ではありませんので過信は禁物です。
主な製品
アルコウカには靴底に大きな通気口がついたタイプもあります。4000円前後で入手可能です。ただし防水とは明記されていないので、水たまりには十分気を付けたほうが良いでしょう。
エアケーブは透湿と防水の両立を謳っています。完全防水ではありませんが、3cm×3時間の防水性能があります。通常の使用では、ほとんど問題ないと思います。お値段はアルコウカより若干高い程度です。
フレスコマーレの製品も雨でも安心と謳っています。爪先がやや細めで、甲から爪先にかけてのシルエットの良さが特徴です。その分、価格は7000円台とやや高くなっています。
使用経験と感想
高い通気性を売りにしたビジネスシューズをいくつか使ってみた私の経験をご紹介します。
甲側で通気するタイプはインソールがビショビショに・・・
以前わたしはメッシュタイプのビジネスシューズを使ったことはありますが、使うのをやめました。参考までに理由を説明します。
一つ目の理由は、足の甲側で通気するメッシュタイプでは、靴の底側(インソール)が汗でびしょびしょに濡れてしまったからです。少なくともわたしの場合、底側の通気性が重要だったのです。
二つ目の理由は、医師として働いているからです。足の甲に目に見える孔があるメッシュタイプは、注射針を落として足を怪我をする可能性が僅かにあるのです。
全員に当てはまる訳ではないですが、参考になれば幸いです。
底面に小さい通気口のタイプは効果不十分
その後、底面に小さい通気口がついたタイプも使用してみました。
個人的には通気性が不十分でした。しかしその後大学勤務となった際は、通気性が改善しました。違いと言えば、大学病院のほうが勤務中に歩く距離が圧倒的に長いことぐらいです。このタイプの靴は、歩く際の足の動きを利用して空気を循環させています。あまり歩かない場合、十分な効果が得られないようです。
歩く頻度や、かく汗の量など個人差がありますので一概に悪いとは言えません。あくまでも、参考情報としてください。
底面に大きい通気口タイプを愛用
現在私が使用しているのはこのタイプです。初めて使ったときは、裸足のようにスースーしてビックリしました。でもすぐに慣れました。効果はとても高くて、靴下や靴がビショビショになることはなくなりました。
ほかの臭い対策も実施したおかげでしょうが、足のニオイは全く気にならなくなりました。
また、医師として働いていると、基本的には屋内での仕事ですので雨の心配は要りませんでした。
ただし大学病院勤務の際は、困りました。医局、病棟、講義室、生協などは別々の建物だったからです。大学勤務の時は、雨天用の靴を一足用意する必要がありました。
先ほども述べたように、最近の製品はある程度の防水性を備えているので、雨天用の靴は必要性が低下しています。
通気性の良い靴の「限界」とその「対策」
大きい通気口タイプの靴は、非常に効果が高い靴でした。しかし一足だけだと、靴も足も臭くなってしまいました。
原因は、いくつか考えられます。
- 毎日履くと、完全に乾かない
- 36時間以上履き続けることがある
毎日履くと、完全に乾かない
たとえ、通気性が抜群に良い靴でも、毎日履くと、翌朝も何となく湿り気を感じるようになります。細菌が生存しやすい状態が続くため、徐々に細菌が増殖してきます。そしてやがて臭いがきつくなってしまいます。
重症患者さんや急患の対応で退勤24時、出勤6時といった状況になることもあります。そうすると靴の乾きが悪いのも仕方ないですね。
36時間以上履き続けることがある
救急指定病院で働いていると、36時間以上働き続けることがあります。信じてもらえないかもしれませんが事実です。8時30分に始業、17時まで通常勤務、17時から翌朝8時30分まで救急外来勤務、8時30分から17時まで通常勤務+数時間の残業、といった具合です。わたしの場合1カ月に4~5回程度ありました。
夜間の救急外来勤務は、「当直」という特殊な勤務です。書類上はほとんどの時間で仮眠をとっていることになっています。しかし、実際には一睡もできずに業務に追われることが殆どです。
その間、ずっと一足の靴を履き続ければ、いかに通気性の良い靴でも細菌が増殖する条件がそろってしまいます。
複合的な対策で足の悪臭を解消!
足のニオイを解消するためには、いくつもの対策を組み合わせることをお勧めします。具体的には4つの対策をなるべく組み合わせましょう。
- 「通気性の良い靴」を選ぶ
- 同じ靴を毎日履かない
- 足をきちんと洗う
- 靴下を二重に履く
「通気性の良い靴」を選ぶ
ここまでで、説明したとおりです。通気性の良い靴を使用することで、靴や足の湿気をなるべく抑えましょう。それによって皮膚常在菌の増殖を抑えられます。
同じ靴を毎日履かない
いかに通気性のよい靴といえども、一足では不十分です。最低3足でローテーションしましょう。靴を完全に乾燥させれば、多くの菌は死滅します。わたしは週1回しか履かないように靴を揃えました。
一足一足の寿命が延びるため、1足を履き続けるより3足以上でローテーションを組むほうが長期的なコストは安くなります。
足をきちんと洗う
通気性の良い靴を履いていても、足に常在菌がウヨウヨいれば、臭いが出やすくなります。毎日足の洗いましょう。きちんと足を洗えば常在菌の数を大幅に減らすことができます。
私の場合、通常の石鹸やボディーソープでも効果が得られました。洗剤をえらぶより、丁寧に毎日洗うことのほうが重要だと思います。
靴下を二重に履く
汗が靴にしみこまないように靴下を二重に履きましょう。これによって靴に水分や栄養分がしみ込むのを食い止めます。水分や栄養分がなければ細菌は増殖できません。
わたしの場合、通気性を重視して5本指タイプのハーフソックスを使用し、その上からソックスを履いています。
コメント