わたしは2008年前後に米国に研究留学していました。J1ビザによる留学です。現地について最初にボスに言われたのが、「すぐに社会保障番号(Social Security Number:SSN)の取得申請をしなさい。」ということでした。
SSNは様々な場面で必要となる重要な番号です。米国で就労するなら、まず初めにSSNを取得しましょう。もう10年以上前の話ですが私の体験談をご紹介します。
米国に到着したら、SSNを取得しましょう。
そもそもSSNってなんですか?
ではまず、SSNについて簡単に説明します。
Social Security Number(SSN)とは?
SSNはアメリカ合衆国における社会保障番号です。もともとは徴税目的で導入された番号で、市民・永住者・外国人就労者に発行されます。
発行するのはアメリカ合衆国連邦政府の社会保障局(Social Security Administration)です。
SSNは事実上の国民背番号制度
SSNは、個人を識別するIDとして重要です。
各種手続きで本人確認の一部として、聞かれます。
日本のマイナンバーみたいなものですね。
とくに下4桁はよく確認されますから、自然と覚えてしまいます。
米国では戸籍制度はありません。そのため、個人を識別するためのIDとしてSSNは重要な役割を果たしています。
運転免許証の取得、住宅、携帯電話、電気・ガスなどの契約、職場での手続きなど、本人確認の必要な場面でいつも聞かれます。
SSNの申請
SSNの申請は、最寄りのSocial Security Administration Office(社会保険局)で行いましょう。
申請には有効なパスポート、ビザ、労働許可カード、出入国滞在記録カード(I-94)またはグリーンカードなどが必要です。
わたしの様にJ-1ビザの場合、その他にDS-2019も必要です。
学生(Fビザ、Mビザ)の場合はI-20が必要です。
労働許可カード
アメリカで働くには労働許可カードが必要です。
でもJ-1ビザには不要です。
どうしてですか?
J-1は大学や研究機関で働くことが前提のビザだからです。
労働許可カードEmployment Authorization Document :EAD)は米国で働く際に原則として必須です。
わたしはJ-1ビザだったので労働許可カードは必要ありませんでした。これは留学先の大学という特定の場所で働くことが前提で発行されているビザだからです。そのかわりJ-1ビザには、留学生としての適格証明書(DS2019)が必要です。
妻はJ-2ビザ(J-1ビザの保有者の配偶者・子供)でしたから、SSNの申請前に労働許可カードの申請が必要でした
I-94
I-94は出入国記録情報の書類です。入国時にパスポートにホチキスで止められる厚紙の書類です。現在はデジタル化されているので、I-94はオンラインでいつでも確認・取得できます。
DS2019
DS2019はJ1ビザの発行に必要な適格証明書です。留学受け入れ先の大学などが申請し、J-1 Visa Sponsorが発行する書類です。大使館・領事館にビザの申請をする前に手元に届いているはずです。
J1ビザ、J2ビザいずれでも一人につき1枚DS2019が発行されます。
SSNの取得
SSNの申請は必要書類をもって、最寄りのSocial Security Administration Officeに提出するだけです。申請から3週間前後でSSカードが自宅等に郵送されてきます。
SSカードはクレジットカードくらいの大きさの紙切れです。なくさないように厳重に保管しましょう。
SSNがないうちは働けない
SSN(やEAD)が無い間は、働いてはいけません。
でも、すぐ実験したいですよね?
給料をもらわなければ大丈夫じゃないんですか?
外国人のタダ働きは、アメリカ人の雇用機会を奪います。
アメリカ国民の雇用の機会を奪うことは犯罪です。
わたしは、すぐに実験を始めたいと思っていました。しかし、SSNがない間は、見学しかできませんでした。
SSNがないうちに実験を始めると不法就労になります。アメリカでは、アメリカ国民の雇用の機会を奪うような行動は厳しく罰せられます。それがタダ働きでもです。むしろ、タダ働きはアメリカ人の雇用を奪い、賃金下落の要因にもなる犯罪行為と見なされます。
Officeに行けば10営業日ほどでSSNがわかる
SSカードが届くのは申請から約3週間後ですが、わたしに早く実験させたいのはボスも同じです。SSカードが届くまで待てません。
翌日には、「SSカードがなくてもSSNは調べられる。Social Security Administration Officeで、SSNを聞いてこい。」と言われました。
「なるほど!」とSocial Security Administration Officeに行きましたが、10日かかると言われました。10日後にもう一度行くと、「10日といったら10営業日に決まっているでしょ。」と言われました。
それからも、「毎日聞きに行け。」とボスがいうので、毎日確認に行きました。窓口担当の方にはあきれられましたが、きっちり10営業日でSSNを知ることができました。米国に入国してからだと約2週間でした。
毎日、窓口に通ったら呆れられません?
正直、
「何を焦っているの?ゆっくりすれば?」
って呆れ顔で言われました。
どう返したんです?
ごめんねー。でもボスの命令なんよー。
って返事しました。
まとめ
この記事のまとめです。
- SSNは社会保障番号
- SSNは米国で働くために必要
- SSNは本人確認手段になっている
- 申請に必要な書類はビザの種類によって異なる
- 申請からSSカードが届くまでは約3週間
- SSカードが届く前でも、オフィスでSSNを教えてもらえる
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