経済的自立(不労所得が生活費を上回る状態)になると、生活のために働く必要はなくなります。経済的自立を達成するために必要な資産額は、人それぞれです。とくに資産を一定ペースで取り崩す前提なら、必要な資産額は少なくなります。でも不労所得を生み出す資産が1億~2億円あると、あまり元本を取り崩さずに生活ができそうです。
経済的自立に必要な資産を積立投資で形成するには何年かかるのか?毎月の積立額ごとに、目標金額に到達するために必要な期間を計算してみました。
利回り5%の場合
資産運用の年利を5%と想定した場合、1億円、1億5千万円、2億円に到達するのに必要な年数は以下のようになります。
成長率が一定という前提の単純計算の結果ですので、必ずこの表の様になる訳ではありません。
積立額 | 1億円 到達時期 (年) | 1億5千万 到達時期 (年) | 2億円 到達時期 (年) |
1万円/月 | 77 | 85 | 91 |
2万円/月 | 63 | 71 | 77 |
3万円/月 | 55 | 63 | 69 |
5万円/月 | 46 | 53 | 59 |
7.5万円/月 | 39 | 46 | 51 |
10万円/月 | 34 | 41 | 46 |
12.5万円/月 | 30 | 37 | 42 |
15万円/月 | 27 | 34 | 39 |
17.5万円/月 | 25 | 31 | 36 |
20万円/月 | 23 | 29 | 33 |
25万円/月 | 20 | 26 | 30 |
30万円/月 | 18 | 23 | 27 |
35万円/月 | 16 | 21 | 25 |
40万円/月 | 15 | 19 | 23 |
45万円/月 | 14 | 18 | 22 |
50万円/月 | 13 | 17 | 20 |
終身雇用なら毎月5万円で定年時に1億円は可能
毎月5万円の積立だと、1億円到達にも46年かかります。積立てだけでは、新卒採用時から定年まで積立て続けても間に合いません。しかし、大卒・終身雇用なら平均で1500~2500万円の退職金があります。
積み立てた資産総額が8500万円に到達するは42~43年後ですので、退職金をあてにできるのなら1億円には到達可能です。
とはいえ大卒初任給の手取りは16-17万円/月程度です。親と同居していないかぎり毎月5万円の貯蓄のためには相当がんばる必要があります。
2億円を目指すなら定年まで毎月15万円以上の投資が必要です。
早期リタイアには毎月10~20万円は必要
早期リタイア・FIREを目指す場合、リタイアする年齢を先に考える必要があります。40代でのリタイアなら20年前後、50代でのリタイアなら30年前後の積立期間になります。
20年後のFIREなら毎月25万円以上必要
20年後にFIREするとします。目標金額が1億円なら毎月25万円、1.5億円なら毎月40万円弱、2億円なら毎月50万円の積立が必要です。サラリーマンならよほどのエリートでない限り実現することは難しいでしょう。
ドクターでも初期研修医の手取りは15-30万円/月、後期研修医で25-40万円/月くらいです。ドクターでも実現は難しいです。
勤務医が毎月25万円以上積み立てられるとしたら、研修終了後になります。つまり30歳代からです。
ドクターは、医局人事で勤務先が変わる際に自己都合退職になることが多いため退職金はあてにできません。
30年後のFIREなら毎月12.5万円以上必要
30年後にFIREするとします。目標金額が1億円なら毎月12.5万円、1.5億円なら毎月20万円弱、2億円なら毎月25万円の積立が必要です。
1億円が目標ならある程度ましな金額になります。それでも一般的なサラリーマンなら初任給(16-17万)では実現は困難です。
ドクターでも、初期研修医の頃に毎月12.5万円積み立てるのは現実的ではないです。
生まれた時から積立てれば、、
子供が生まれた時から毎月2万円を積立てれば、その子が定年を迎える前に1億円に到達します。
子供が就職するまで親が積み立てて、成人時か就職時に子供に引き継げれば理想的ですね。
贈与税の扱いがどうなるか調べる必要がありますね。
利回り3%の場合
年利5%というのは、単年で達成は比較的容易です。ですが40年連続で達成するのは難しいかもしれません。その意味で楽観的な予測と言えます。
ですから低リスク金融商品への投資を念頭に、年利3%でも計算してみましょう。すると1億円、1億5千万円、2億円に到達するのに必要な年数は以下のようになります。
成長率が一定という前提の単純計算の結果ですので、必ずこの表の様になる訳ではありません。
積立額 | 1億円 到達時期 (年) | 1億5千万 到達時期 (年) | 2億円 到達時期 (年) |
1万円/月 | 110 | 124 | 133 |
2万円/月 | 88 | 101 | 110 |
3万円/月 | 76 | 88 | 97 |
5万円/月 | 61 | 72 | 81 |
7.5万円/月 | 50 | 61 | 69 |
10万円/月 | 43 | 53 | 61 |
12.5万円/月 | 37 | 47 | 58 |
15万円/月 | 33 | 43 | 50 |
17.5万円/月 | 30 | 39 | 46 |
20万円/月 | 28 | 36 | 43 |
25万円/月 | 24 | 31 | 37 |
30万円/月 | 21 | 28 | 33 |
35万円/月 | 19 | 25 | 30 |
40万円/月 | 17 | 23 | 28 |
45万円/月 | 16 | 21 | 26 |
50万円/月 | 14 | 19 | 24 |
終身雇用でも毎月10万円必要
1億円到達には毎月10万円の積立でも43年かかります。ただし、終身雇用で退職金があてにできる場合には、36年~39年程度で1億円には到達できます。
20歳代から毎月10万円の積立ては困難です。年利5%くらいの分野にも投資をして、毎月の投資額を減らす必要があります。長期的な積立てでは、時間が味方になり、リスクを軽減できます。ある程度の高リスク銘柄への投資も視野に入れましょう。
ただし年利10%を大きく上回る投資は、高リスクすぎるのでお勧めしません。詐欺の可能性もあります。
2億円到達を目指すなら毎月20万円以上の積立てが40年前後必要です。大多数の人にとって現実的な数字ではないですね。
ドクターでも初期研修医の手取りはせいぜい20~30万円/月だと思われますので、月20万円の積立ては現実的ではないです。
早期リタイアには毎月17.5~30万円は必要
早期リタイア・FIREを目指す場合、リタイアする年齢を先に考える必要があります。40代でのリタイアなら20年前後、50代でのリタイアなら30年前後の積立期間になります。
20年後のFIREなら毎月30-35万円必要
20年後にFIREするとします。目標金額が1億円なら毎月30~35万円、1.5億円なら毎月40~45万円、2億円なら毎月60万円以上の積立てが必要です。およそ現実的ではない数字です。
ドクターでも勤務医の平均給与は1200-1400万円/年です。手取りは75万円/月程度でしょう。手取りの半分以上を投資に回すにはかなりの努力が必要です。
しかも、ドクターの年収が1000万以上になるのは研修終了後で30歳代です。早期リタイアといっても40歳代では難しいでしょう。せいぜいセミリタイアですね。
30年後のFIREなら毎月17.5万円以上必要
30年後にFIREするとします。目標金額が1億円なら毎月17.5万円、1.5億円なら毎月25万円強、2億円なら毎月35万円の積立が必要です。
多少ましな数字になりましたが、それでも毎月17.5万円の積立てといいうのは、20歳代では非現実的です。一般的なサラリーマンなら初任給が手取り16-17万、初期研修医も手取りは15-30万円だからです。
FIREを目指すなら、どこかの段階でハイリスク・ハイリターンの投資を行うか、初めは小額から初めて、収入の増加にあわせて毎月の積立額を増やしていくことが必要です。
まとめ
利回りにもよりますが積立投資で1億円に到達するには、毎月5-10万円で40年前後かかります。2億円を目指すなら2倍のペースで積み立てる必要があります。
現実的には手取り収入の増加に合わせて段階的に積立額を増やす、資産の一部をハイリスク・ハイリターンの投資に回すなどの工夫をしないと2億円到達は困難です。
しかし、元本を取り崩さないという前提はやめて、一定額を取り崩す前提であれば必要な資産総額は少なくて済みます。どういう形を目指すのかは、人それぞれです。
いずれにせよ、まず最終目標となる金額を設定してみましょう。そして、そのために必要な中間目標も設定しましょう。そうすると具体的な対策を考えやすくなるでしょう。
この記事はあくまでも個人的な考えです。投資は自己責任でお願いします。
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