医師の転職。仲介業者に必ず聞かれる6つのこと

就職と転職
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医師が医局を離れてから転職する場合には、仲介業者を利用することも多いでしょう。どこの仲介業者もまずは、転職理由、希望条件などの確認作業から動き出します。聞かれる内容は何処の業者でもほとんど同じです。あらかじめ自分の考えを整理しておくと良いです。

仲介業者を利用しない人でも、転職の目的や、優先したい条件などを自分になりに整理することは大切です。もしよければご一読ください。

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仲介業者に聞かれること

仲介業者のエージェントに聞かれることには、次のようなものがあります。

  • 転職の動機
  • 転職する時期
  • 能力や経験に関すること
  • 希望する労働条件
  • 希望する地域
  • 希望条件の優先順位

これらについては、あらかじめ自分の中で明確にしておきましょう。

転職についての考えを整理する

転職の動機

仲介業者が必ず確認してくることは、転職の動機です。

症例数が欲しい、資格を取りたい、もう少しゆったりした職場が良い、もっと給料が欲しい、人間関係に疲れた、親の介護のため、転職の動機は人それぞれです。

複数の要因が絡み合って転職を決意することも多いです。いずれ採用面接でも聞かれることですから、あらかじめ自分の考えを整理しておきましょう

転職を考える場合には、現在の職場に対して何かしらネガティブな意見を持っていることが多いです。しかし、転職の動機としては、誰もが納得のいくような理由が望ましいです。つまり、ポジティブな動機やむを得ない事情などです。

仲介業者に対しては、現在の職場への不満を述べても特に支障はないと思います。しかし、仲介業者からは、採用面接の場面において、現在の職場への不満はで述べないことを勧められます。(頂いた資料にそう明記されていました。)

とはいえ短期間での転職の場合、転職の理由について詳しく説明を求められる可能性が高いです。その場合は「現在の職場への不満」に言及せざるを得ないこともあります。では、どうすれば良いのでしょうか?

そうした場合は、「不満をポジティブな動機に昇華する」ように考えを整理しましょう。

  1. 客観的に見て職場に問題があったこと。
  2. それでも、職務には真摯に取り組んだこと。
  3. 結果、自分なりの目標や目的を達成できたこと。
  4. 次の目標のために転職に踏み切ること。

などを順序だてて説明できれば、理解を得られる確率が高まります。

転職する時期

スケジュール

転職する時期も必ず確認されます。自分なりのイメージをそのまま伝えましょう。

退職を申し出るべき時期は、就業規則労働条件通知書に記載されています。職場によっては、6カ月以上前に申し出る必要があったりします。退職を申し出る時期については、必ず就業規則労働条件通知書で確認しましょう。

おおくの仲介業者のエージェントは、早い時期の転職を勧めてきます。短時間で転職案件を成立させれば、より多くの案件を担当し、より多くの手数料を得ることが出来るからです。

電話や直接の面談では、海千山千のエージェントのペースに乗せられてしまいがちです。自分のペースを維持するには、当面はメールでのやり取りで済ませるのも一つの方法です。

しかしエージェントからすれば、会ったこともない医師を病院に紹介できないという事情もあります。どこかの時点で、エージェントとの面談は必要です。

また、エージェントの勢いの乗っかるほうが精神的に楽な場合もあります。自分が快適なほうを選べば良いでしょう。

能力や経験に関すること

求職者の能力や経験に関することも確認されます。

臨床経験

卒業年次、その後の勤務歴などを大雑把に伝えましょう。最近では、仲介業者に求職登録する際、ネットで勤務歴や学歴を登録していることも多いのです。そのような場合でも、実際の仕事内容などについて確認されます。

救急指定病院での勤務経験が重要な場合もあります。希望する転職先にもよりますが、カテーテルや内視鏡、手術などの手技についての経験を確認されることもあります。

経験年数やスキル

専門医などの資格

臨床経験に関連したことですが、所有している資格についても確認されます。求人を出している医療機関が、特定の分野の専門医や指導医を欲している場合があるからです。

これは、エージェントが紹介してくる求人案件に影響してきます。ただし、内科系ではサブスぺが何であれ、一般内科としての業務を求める求人も非常に多いです。

医局に属しているのか

引き留め工作で、転職をやめる医師もいます。とくに医局からの引き留め工作は強力なことが多いです。したがって、「本当に退職できるのか?」はエージェントにとっても重大な関心事です。

わたしの経験では、ほぼ全ての仲介業者は、まだ医局に属しているのか、すでに医局を離れているのかを確認してきました。

また、最初から医局に属していない一匹狼的な医師なのかも気にしていると思います。

希望する労働条件

求職者にとって非常に重要な点ですので、エージェントにしっかりと伝えましょう。

希望する勤務日数・時間

医師が転職する場合、何かしらの事情で週4日勤務時短勤務を希望している場合も多いです。しっかりと希望を伝えましょう。

週4日勤務や時短勤務を希望する理由については確認されます。率直に事情をエージェントに伝えましょう。

ただし採用面接では、納得してもらい易い理由を挙げたほうが無難です。たとえば、親の介護、子育てなどです。

とくに子育て中の医師夫婦の場合、二人ともが専門医資格を維持するのが困難だったりします。専門医の維持に勤務実績症例数が必要だからです。祖父母の支援などが得られない場合、子育てを分担しつつ、夫婦が専門医を維持するには、夫婦二人ともが時短や週4日勤務を選ばざるを得ないケースもあります。

医療機関がそれに理解を示してくれるかどうかは不明です。しかし勤務日数や勤務時間は絶対に譲れない条件のことも多いため、しっかり伝えましょう。

希望する業務内容

希望する業務内容は人それぞれです。急性期の病院でガンガン働いてバンバン稼ぎたい人、ゆったり勤務を望む人、当直は絶対嫌な人、稼ぎが良ければ内容は気にしない人、手術を経験したい人、リハビリをやりたい人、終末期医療に興味がある人、まさに千差万別です。

ただし、上記のような分かり易い条件は、エージェントに十分伝わります。逆に言うとそれ以外はエージェントに十分に伝わることはありません。エージェントは転職仲介のプロかもしれませんが、医師ではないのです。我々が述べる内容の微妙は部分は伝わらないのは当然です。

例えば、総合病院の「回復期リハビリ病棟」でのリハビリ専従医の募集があったとします。そして週1コマ程度なら専門外来を担当して良い、という条件が付いています。これは、専門医資格を維持するためには魅力的な条件に思えます。

でも、その外来に「入院が必要な患者」が受診されたときを想定してみましょう。誰がその患者を担当するのでしょう?おそらく急性期を担当する医師にお願いすることになります。ですが、急性期を担当する医師から見れば、余計な仕事が押し付けられて不愉快な筈です。病院内での人間関係が悪くなる原因になるだけです。

それならいっそ、常勤先は週4.5日勤務として、半日だけ外来バイト(定期非常勤)を確保したほうが気楽だったりします。

こうしたことを、私たちが考えても、そのニュアンスはエージェントにはあまり伝わりません。最終的には採用面接の場面で、自力で確認する必要があります。

当直の可否、許容範囲

当直の有無は、業務内容の中でしばしば重要になります。なので別枠で記載します。

忙しい救急外来(実質徹夜)は無理だけど、病棟管理(寝当直)ならOKなど、希望する条件をストレートに伝えましょう。

回数についても、希望する条件を率直に伝えましょう。月4回当直で募集が出ていても、エージェントによる交渉で月2回、当直無し、などと条件が変わる場合もしばしばあります

ダメもとでも交渉してもらいましょう。ただし当直無しは、当直している先生からの反感は避けられません。覚悟はしておきましょう。

中には当直業務を全てバイト医師で回している病院もあります。そういう場合、常勤の先生は当直なしです。当直無しで希望を伝えていれば、そういう病院の求人をエージェントが探してくれます。

年収

希望の年収、現在の年収は必ず確認されます。また、転職後の年収についても大まかな希望を確認されます。

年収が多くて困ることはありませんが、年齢や資格に応じた相場というものがあります。常識的な範囲で希望を伝えましょう。自分のもつスキルと病院の需要合致している場合は、多少の上乗が期待できます。採用面接で高評価が貰えて、金額がアップすることもあります。

とはいえ、よほど売り上げに貢献できるスキルがなければ、金銭面で極端な好待遇をいきなり引き出すことは難しいでしょう。逆に言うと、極端な好待遇は、それに見合った売り上げを求められます

なお、2019年頃の求人と比べて2022年時点の求人は、給与面では悪化傾向にある印象です。残念なことです。

希望する地域に関すること

エージェントがどの地域の医療機関を紹介するかを判断するために必要な情報です。

転居の可否

転居可能な場合は、選択肢が一気に広がります。

転居可能な場合は、転居費用を出して貰える求人を紹介してもらうと良いでしょう。

居住地

正確な住所を伝える必要はありませんが、最寄り駅などで大雑把な居住地を伝えましょう。

希望する通勤方法と時間

通勤手段(自動車、電車、バスなど)、と許容できる通勤時間も伝えましょう。

居住地と合わせて、対象となる地域がおおむね決まってきます。また、オンコール無しの勤務であれば、電車・バスでの通勤も現実的になります。

個人的には片道1時間以上の自動車通勤は好みません。自動車通勤は、ついでにできることが限られてしまうからです。また、年齢を重ねる程、自動車運転による疲労が重荷になってきます。その点、徒歩や自転車通勤なら通勤ついでに運動できます。電車・バスでの通勤なら、状況次第では読書や仮眠ができます。

希望条件の優先順位

優先順位を明確にする。

最後になりますが、転職において非常に重要な事柄です。多くの場合、仲介業者のエージェントにも確認されることです。それは、希望条件の優先順位を明確にすることです。

転職を考える場合、多種多様な希望条件をあれこれ列挙する訳です。しかし、その全てを満たすような求人などまず有りません。ある程度の妥協は必要になります。

そのためには、各種の希望条件に優先順位をつけることが必要です。少なくとも以下の2つには分けるようにしましょう。

  • 絶対に譲れない条件
  • できれば叶えたい条件

そして、絶対に譲れない条件については、2-3個に絞っておくと良いです。

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