わたしは米国にポスドク研究員として留学したことがあります。
米国では個人小切手での決済が普通に行われます。しかし家や自動車のような高額取引となると支払保証小切手(cashier’s check, bank check あるいは certified check)が必要です。
今回は、米国入国直後に自動車を買おうとして、支払い保証小切手の発行に手間取った体験談です。支払い手続きでトラブルにならないように参考にしていただけると幸いです。
米国に留学すると、一部の地域を除いて自動車が必須アイテムになります。
留学してすぐの大きな買い物ですね。
緊張しますねぇ
まだ環境に慣れていない時期だけに、準備万端で臨みましょう。
米国では自動車はほぼ必須
留学して最初にする大きな買い物と言えば、ほとんどの場合は自動車になります。
アメリカは車社会で、大都市などを除き、ほとんどの都市では公共交通の便がよくありません。
研究留学の場合、実験が夜遅くまでかかることもあります。自動車はあったほうが良いです。わたしの場合は、大学が田舎にあったので自動車は必須でした。
田舎だと、スーパーへの買い出しでも自動車は必須です。
自動車の入手経路
留学してすぐの自動車の入手経路としておススメなのは2つです。
- 帰国する日本人と個人売買
- 自動車販売店で購入
帰国する日本人と個人売買
米国では自動車の個人売買が盛んです。相場はネットで簡単に調べられます。自分と入れ替わりに帰国する日本人から買うのが安心です。
帰国後に大学勤務する予定の人だと、身元も割れているので変なものを売りつけてくることも滅多にありません。
近々帰国予定の日本人がいないか留学前から情報収集しておきましょう。
外国人と個人売買はダメなんですか?
トラブルになったときに対処できないので、米国での生活に慣れるまでは避けましょう。
外国人との個人売買は、入国直後はやめたほうが無難です。信頼できる人が仲介してくれるなら考えてもよいですが、金銭トラブルになるリスクもあります。
入国直後はやるべきことが多いし、言葉も慣れていないことが多いので、トラブルは避けるのが無難です。
自動車販売店で購入
わたしの場合、入れ替わりで帰国する日本人がいませんでした。仕方なく、自動車販売店で購入しました。
自動車販売店は個人売買より割高になりますが、故障などのトラブルのリスクは低くなります。
わたしは、ついでにメンテパックも申し込みました。
自動車の購入については「研究留学術」で比較的詳しく解説されています。
車を購入する際の決済手段
車を購入する際の決済手段はおもに2つです。
- 個人小切手
- 支払保証小切手
個人小切手での決済
個人売買なら、お互いの信頼関係で取引が成立します。同意があれば決済は現金でも個人小切手でも構いません。
妻用の車を購入する時は、日本人との個人売買で、個人小切手で決済しました。
日本人同士、とくに研究者同士ならある程度身元が割れているので、個人小切手で済ませることが殆どだと思います。
支払保証小切手での決済
自動車販売店から購入するとなると、支払保証小切手での決済を求められます。
支払保証小切手はcashier’s check, bank check あるいは certified checkなどと言います。
支払保証小切手は、銀行が換金を保証してくれる小切手です。自動車販売店の立場からすると、代金を確実に回収したいので支払保証小切手を求める訳です。
支払保証小切手の発行の実際
それでは支払保証小切手の発行の実際の流れを体験談をまじえて紹介します。
支払保証小切手を発行する場所
支払保証小切手は基本的には自分の口座がある銀行で発行してもらいます。必ずしも口座を作った支店である必要はありませんが、口座を作った支店のほうが無難です。
わたしは、口座のある支店とは違う支店に連れていかれました。
そのため手続きがスムーズに進みませんでした。。
じつは口座がなくても現金を持ち込んで発行してもらえるらしいです。
しかし米国では高額紙幣の信用度が低いため、手続きが大変になることが予想されます。
現金を持ち込んで、支払保証小切手を依頼するのはおススメしません。
(米国では高額紙幣の信用度が低い理由は別の記事の中で解説しています。もし良ければどうぞ。)
支払保証小切手の発行に必要なもの
支払保証小切手を発行してもらうのに必要なものは以下の通りです。
- 支払いに十分な預金残高
- 発行手数料(数ドル)
- 受取人となる会社の人
- 正確な支払金額の情報
- 写真付きの身分証明書(複数)
支払いに十分な預金残高
十分な預金残高が必要なのは、説明するまでもありませんね。
ちなみに、普通の個人小切手と異なり、支払保証小切手では小切手が発行された時点で直ちに預金額から支払額が差し引かれます。
発行手数料
数ドル程度の手数料が必要です。
受取人となる会社の人
受取人の名前などの正確な情報を記入する必要があります。受取人欄を支払人が記入してはいけないため、販売店の従業員と一緒に銀行へ行く必要があります。
わたしは、自動車販売店の人の車で銀行に連れていかれました。
誘拐される危険とかないんですか?
貧乏なオッサンを誘拐するメリットは乏しいですから。
でも女性なら、「信頼できる人」の車に乗せてもらいましょう。
例えば?
その地域の世話人的な日本人PIとか、自分のラボのボスとかです。
写真付き身分証明書2つ
高額の預金を引き出す手続きになるので、政府発行などの信用度の高い、写真付き身分証明書(ID)が必要です。
とくに高額の小切手を発行する場合には2つ以上の提示を求められます。例えば以下のようなものです。
- パスポート
- 運転免許証
- 労働許可証
国際免許証でもなんとかなったが・・
入国直後はパスポートぐらいしかIDがありません。
わたしはパスポートの他に国際免許証を提示しましたが、すぐにはOKがもらえませんでした。国際免許証自体を初めてみた様子でした。
銀行で対応してくれた担当者がアチコチ電話して、最終的には本店からの発行許可を取り付けてくれました。
かかった時間は2時間ほど。担当の銀行員さんに大感謝です。あなたのガッツポーズは素敵でした。
親切な銀行員さんでよかったですね。
わたしは何とかなりましたが、
国際免許証が通用する保証はありません。
では、どうすれば良いですか?
無難なのは、先に現地の自動車運転免許を取得する方法です。
先に米国で運転免許を取得するのが無難
わたしの場合は、銀行員さんが頑張ってくれました。でもこれは例外の可能性が高いです。
すぐにマイカーが必要ないなら、SSN(社会保障番号)取得 → 運転免許取得を先に済ませたほうが無難だと思います。
この方法のデメリットは、SSNの取得だけで10日営業日以上かかることです。
(SSN取得の体験談はこちらです。)
免許取得についても「研究留学術」で比較的詳しく解説されています。
わたしもお世話になりました。
口座を作った支店にいくのがベター
担当の銀行員さんが言うには、「口座を作った支店に行けばもっとスムーズに手続きできたよ。」とのこと。
銀行員さんゴメンナサイ。そしてアリガトウ。
どうして、口座を作った支店に行かなかったんですか?
わたしは、口座を作った支店に行くように言いましたよ。
でも販売店の店員さんが面倒くさがって近くにある別の支店に向かったのです。
まとめ
この記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 自動車など高額商品の代金支払いには、支払保証小切手が必要
- 支払保証小切手の発行に受取人の同席が必要
- 写真付きの身分証明書が2種類以上必要
- 経験的には国際免許証でもOKだったが、米国発行の運転免許証が無難
- 口座を開設した支店で発行を申請するほうが無難
アメリカ留学を予定している方には、「研究留学術」がおススメです。
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