(2023/1/22加筆修正)
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概要
エコカラットのエの字も知らなかった「わたし」が購入した中古物件は、壁という壁がエコカラットのこだわりの家でした。そんな家に住んでみて感じたエコカラットの実力と、エコカラットの問題点を紹介します。
エコカラットの主な機能には、湿度を調整する機能と、臭いを吸着する機能があります。わたしの自宅の場合、湿度が70%以下で推移しています。また入居してから6年以上の間、トイレには脱臭剤や芳香剤の必要性を感じたことはありません。わたしの自宅では、エコカラットは十分な性能を発揮していると言ってよいでしょう。
ただしエコカラットの機能には限界があります。エコカラットが十分な性能を発揮するためには、ある程度まとまった数量のエコカラットが必要です。また、極端に湿度の高い日が続く、あるいは逆に湿度が極端に低い日が続いた場合、湿度を調整する機能の限界を超える可能性があります。
エコカラットの最大の問題は非常に高価なことです。撤去する費用も割高なため壁紙のように簡単には変更できません。また、エコカラットの上からピンを刺して壁掛け用のフックなどを設置することは基本的にできません。エコカラットの上にエアコンや壁掛けテレビを設置することはできません。エアコンやテレビを設置する予定の場所にはエコカラットを貼らないようにしましょう。ただし、拭き掃除ができないという欠点は、エコカラットプラスになって解消されています。
エコカラットの実力
わたしの自宅(中古)には、エコカラット(製品名:ニューナチュラル)がこれでもかと使用されています。
そんなエコカラットのカタログに記載された特徴にはおもに2つあります。
- 湿度をコントロール
- においや有害物質を吸着
これらについて、実際の印象をご紹介します
湿度をコントロール
エコカラットの湿度を調整する能力について解説します。
カタログ性能
エコカラットの吸放湿量は珪藻土壁の4~5倍とされています。これによって室内の湿度を快適に保ちます。
自宅での使用感
梅雨時にはさすがに多少の湿気を感じますが、職場などと比較すると一段階は確実に違います。「ジメジメ」が「ジメ」にはなります。実際に自宅に湿度計を設置して確認していますが、湿度は常に70%以下で推移しています。
24時間換気システムの影響もあるかと考えましたが、気象情報で湿度が100%の時でも屋内は湿度70%に収まっているので、エコカラットの効果だと考えています。
有害物質やニオイを吸着
エコカラットが有害物質やニオイを吸着する効果について解説します。
カタログ性能
エコカラットは、建材や家具から発生するホルムアルデヒドを吸着します。下のグラフはエコカラットの有害物質についての吸着効果を示しています。エコカラットはトルエンやホルムアルデヒドに対して高い吸着率を示しています。
また、エコカラットは、ペット臭、タバコ臭、生ごみ臭、トイレ臭などにについても高い吸着効果を示しています。
自宅での使用感
トイレのニオイについて紹介します。因みに下の写真は、わたしの自宅のトイレです。壁4面がエコカラットになっています。
全体がエコカラットに囲まれているためなのか、トイレの匂いが気になることがありません。中古で購入してすでに6年たちますが、消臭剤や芳香剤が必要がない状態です。
その前に住んでいた借家では、匂いが気になって消臭剤や芳香剤が欠かせなかったのとは大違いです。
エコカラットの性能にも限界がある
わたしの自宅についていえば、エコカラットの効果は相当なものだと思います。ただし、エコカラットが効果を発揮するには、一定の条件が必要だと思います。どういことかというと・・・
同じ天候が続けば効果が落ちるはず
吸湿・放湿効果については、同じ天候が続けば効果が落ちると思われます。例えば長雨で外部の湿度が100%の状態が何日もつづけばエコカラットの吸湿効果も限界に達すると予想されます。
同様に、湿度が非常に低い日が何日もつづけばエコカラットが蓄えていた水分が枯渇して放湿効果は失われることでしょう。
つまりエコカラットの湿度調整効果が発揮されるには、ある程度、湿度が上がったり下がったりする変化が必要です。
満足できる効果を得るには十分な量が必要
エコカラットがどれくらい水分を蓄えたり、放出したりできるか、という点では、エコカラットの量が多ければ多いほど良いと言えます。それは、バッテリー容量が大きい程、たくさん電気エネルギーを貯めたり放電したりできるのとよく似ています。
つまり、優れた吸湿・放湿効果を得るには、十分な量のエコカラットが必要です。エコカラット量が不十分だと、期待外れの結果になることでしょう。
ニオイの吸着効果についても同様に、エコカラットの量が多い程効果は高くなるでしょう。逆に言うと中途半端な量のエコカラットでは効果が得られません。
たとえば、トイレの壁1面だけをエコカラットにするようなケースもあるようですが、こうした場合に充分な性能が得られない可能性はあると思います。
実際、LIXILのサイトでは床面積の1/4以上の壁面積に施工することを推奨しています(エコカラットプラスはどれくらい貼れば、調湿効果がありますか。推奨面積を教えてください。)。
エコカラットのデメリット
エコカラットの実力は大したものですが、デメリットもたくさんあります。主に以下のような点に注意が必要です。
- 施工費用が高価
- 壁掛けできない
- テレビやエアコンが取り付けられない
- 掃除しづらい
- 簡単に剝がせない
- 子ども達が自宅以外のトイレを嫌がる
施工費用が高価
2021年時点の製品であるエコカラットプラスは、LIXILのサイトで単価を確認すると6800円/㎡~13800円/㎡もします。
壁掛けできない
次に、壁掛けができないという問題について解説します。
問題点
エコカラットは、不用意にピンなどを指すと割れてしまう危険があります。なのでピンで固定するタイプの壁掛けなどを手軽に設置することはできません。
またエコカラット自体は下地に接着剤で圧着しているだけですので、重量を支えるには不適です。
対策
どうしても壁に金具を付けたい場合はエコカラットの施工に慣れた業者に相談して金具を付けてもらいましょう。時計をかける程度の金具であれば付けてもらえました。
ただし、テレビやエアコンとなるとそうもいきません。
テレビやエアコンが取り付けられない
「壁掛けできない」のと共通することですが、大事なことなので別枠にしました。エコカラットの上からエアコンやテレビなどを後付けしようとするときには、大問題が生じます。
問題点
取り付け金具をつけようとして、不用意にネジどめするとエコカラットが派手に割れます。わたしの作業スペースのエコカラットも、エアコン取付の際にバキバキに割れました。
LIXILの公式サイトによると、エコカラットプラスの上から壁掛けテレビやエアコンを取り付けることは出来ないそうです。
対策
対策として、壁掛けテレビやエアコンを設置する予定の場所には、はじめからエアコンや壁掛けテレビの設置予定場所にはエコカラットを貼らないようにしましょう。
後からどうしてもテレビを設置したくなった時は、デザイン性に優れたテレビスタンドを利用しましょう。
掃除しづらい
エコカラットには掃除しづらい、という問題点もあります。
問題点
エコカラットの口コミで、「知らずに拭き掃除して表面が繊維ゴミだらけになった。」などという情報を目にすることがあると思います。
わたしの自宅でも、子供が汚した部分が上手く掃除できずそのままになっています。説明書には消しゴミで擦るなどと手入れ方法が紹介されていますが、効果は限定的です。
エコカラットプラスになって改善
掃除しずらいというデメリットは、旧製品であるエコカラットには当てはまります。しかし2021年時点ではエコカラットプラスに更新されており、エコカラットプラスは水拭きが可能になっています。
掃除のしにくさという問題は大幅に改善していると考えてよいでしょう。
簡単に剝がせない
エコカラットのデメリットのひとつに簡単に剥がせないというものがあります。
問題点
エコカラットを施工してから、やっぱりイメージと違うなどの理由で除去したくなる場合があります。しかしエコカラットは壁紙のように簡単に張り替えることはできません。
剥がして、下地を整えて、新たなクロスなりタイルなりを張り直すことになります。クロスと比較すれば廃棄物も増えます。工程が多いことと廃棄物が出ることから費用が高くなります。
わたしも入居前に自宅を一部リフォームしましたが、エコカラットの撤去に費用が凄くかかると何度も業者に説明されました。撤去費用は下地によっても変化するので一概に言えませんが、撤去が割高であることは十分に意識しておきましょう。
対策
なるべく実物をショールームなどで確かめて、色味などを確認しましょう。これによってイメージと違うといって剥がす可能性を下げましょう。
また、間取りを変えるようなリフォームをする場所にはエコカラットは使わないようにしましょう。
子ども達が自宅以外のトイレを嫌がる
妻から聞いた話ですが、子ども達が小さいころ、自宅以外のトイレを嫌がって困ったというのです。有名百貨店のピカピカのトイレですら、「なんだか臭い」と嫌がり、公園の公衆トイレには入れなかったそうです。
それくらいエコカラットの消臭効果が凄い訳なのですが、意外なデメリットでしたので追記しました。
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