自宅として中古物件を購入して、ちょっと後悔している訳とは?中古物件のデメリットを踏まえた購入時の心得。

アイキャッチ画像 -中古住宅の落とし穴 マイホーム
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迷走ドクター
迷走ドクター

うーん・・・

きくたん
きくたん

どうしたんですか?

迷走ドクター
迷走ドクター

家のことで悩んでいるんです。

きくたん
きくたん

高級な中古住宅が割安で買えたって喜んでいたじゃないですか?

迷走ドクター
迷走ドクター

それが建物の維持・修繕費が高くて困っているんですよ。

わたしは、中古の一戸建てを購入して自宅としています。中古で物件を購入するメリットの一つは、購入費用が安くなることです。すると、新築では手が出ないような高級住宅も中古であれば買うことができます

例えば中古住宅のほうが、新築より立地が良い、新築より面積が広い、新築より豪華な設備がある、といったケースが考えられます。新築よりいっそのこと中古で・・・と考えてしまいがちです。

しかし、中古高級住宅の購入には慎重になりましょう。そうでないと大変な苦労をする羽目になるかも知れません。(*注:ここでいう高級住宅は、中古でも億を超えるような豪邸のことではありません。あくまでも数千万円で買えるレベルの住宅のことです。自分の収入に見合わないという意味で「高級」と表現しています。)

なぜなら高級住宅は維持費もそれ相応に高額だからです。たとえ中古で購入費用が割安になったとしても、維持費は割安にならないことを理解しましょう。

中古住宅を購入する時は、自分の年収に見合ったグレードの住宅を選ぶほうが安全です。そのためには、自分が新築に出すせる予算よりも築年数に応じて安い価格で中古住宅を購入しましょう。

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中古物件の基本的なメリット・デメリット

まず簡単に中古物件のメリットとデメリットを確認してみましょう。

中古物件のメリット

迷走ドクター
迷走ドクター

中古物件購入時のメリットは以下のようなものがあります。

  • 取得費用が安くなる。
  • 実際の住宅を確認して購入できる。
  • 好立地の物件が見つかる可能性がある。

中古物件のデメリット

迷走ドクター
迷走ドクター

中古物件購入時のデメリットは以下のようなものがあります。

  • 建物や設備が古く、修繕コストがかかる。
  • 住宅ローン控除で戻る税金が少なくなる(売主が個人の場合)
  • 売買の仲介手数料を取られる
迷走ドクター
迷走ドクター

わたしが特に困っているのは修繕コストです。

修繕コストの一般的な注意点

一般的には、設備が古いため、修繕や交換時期がせまっておりコストがかかるという点がクローズアップされています。

迷走ドクター
迷走ドクター

築10年の物件なら、給湯器などは寿命が近いです。外壁塗装のメンテナンスもそろそろ検討が必要です。

きくたん
きくたん

でもそれは、さんざん色々なところで指摘されていることですよね?

迷走ドクター
迷走ドクター

じつは、それ以外にも維持・修繕費には落とし穴があるんです。

きくたん
きくたん

落とし穴??

修繕コストの意外なリスク

迷走ドクター
迷走ドクター

修繕コストに関わる落とし穴とは、「取得費用が割安だからと、高級な住宅を購入してしまうリスク」です。

きくたん
きくたん

豪華な家を安く買えるのが、リスクなんですか?

迷走ドクター
迷走ドクター

なぜなら高級な住宅は、維持費・修繕費も相応に高いからです。
そして維持費・修繕費は中古でも割安にはなりません

きくたん
きくたん

なるほど!
自分の収入より不釣り合いに高い維持費に苦しむリスク、ということですね。

詳しくは、このあとわたしの実体験をまじえて解説します。

わたしも高級住宅の豪華設備に浮かれていた

わたしは大体の予算を決めて、「予算範囲内なら中古でも新築でもよい。」という感覚で物件を探していました。そして現在の自宅となる中古物件を見つけました。

自分が思っていたよりも好立地で設備も豪華で、正直にいえば分不相応な高級住宅です。中古でなければ到底手が届かなかったと思います。

どのように豪華なのかというと、鉄筋コンクリート造、窓は全てブラインドシャッター、全室床暖房装備、ホームエレベーターあり、といった具合です。

正直に言うとちょっと予算オーバーとはいえ、夢のような豪華装備に入居当初はすっかり浮かれていました。ところが、今では将来のことを考えると冷汗が出る思いをしています。

迷走ドクター
迷走ドクター

豪華装備の家が割安で買えてラッキー!

そう思っていた時期が私にもありました。

高級物件は維持費も高級

わたしが、冷汗が出る思いをしているのは、自宅の維持費が非常に高くつくからです。主な維持費は次の3つです。

  • 固定資産税
  • 建物の修繕費
  • 付帯設備の修繕費

固定資産税

固定資産税は土地建物それぞれにかかってきます。

立地が良ければ地価が高いため土地の固定資産税が高くなります。土地面積が広くても土地の固定資産税が高くなります。

建物の構造面では、一般的に 木造 < 鉄骨造 < 鉄筋コンクリート の順に固定資産税が高くなります。また床面積が広くても建物の固定資産税が高くなります。

高級な住宅は面積が広かったり、立地が良かったり、構造が鉄筋コンクリートだったりすることで固定資産税が非常に高くなりがちです。

一般的な一戸建ての固定資産税は10万円程度ですが、ある程度高級な住宅になれば20万円、30万円かかることはよくあります。

(ここでいう高級住宅は、中古でも億を超えるような豪邸のことではありません。あくまでも数千万円で買えるレベルの住宅のことです。自分の収入に見合わないという意味で「高級」と表現しています。)

建物の修繕費

建物の修繕というのは、おもに屋根防水外壁塗装のメンテナンスのことです。高級住宅になると建物が大きかったり、構造が鉄筋コンクリートであったりすることで修繕費用が高くなりがちです。

一般的な規模・グレードの住宅の防水・外壁塗装のメンテナンス費用は100万円前後です。しかしわが家のメンテナンス費用はとんでもない金額なりました。

迷走ドクター
迷走ドクター

次のメンテナンスを想像するだけで、冷汗が出ます。

付帯設備の修繕費

付帯設備というのは、冷暖房設備給湯器シャッター水回り設備などのことです。冷暖房設備、給湯器であれば10年程度で交換が必要になります。水回りのリフォームも10年から20年が目安とされています。

給湯器

わたしの自宅には、全室床暖房のため28号の給湯器が2台あります。一台交換するだけで30万円以上します。二台同時に交換することなど想像したくもありません。

迷走ドクター
迷走ドクター

少しでも費用を安くするためには、相見積もりが必要です。
故障してから交渉するよりも、故障前に交渉するほうが有利です。

きくたん
きくたん

交換は計画的に!

ブラインドシャッター

もしブラインドシャッターが故障したら?交換費用は10万円~30万円はかかるそうです。使ってみるととても便利です。高いだけのことはあります。

しかし使用経験がなければ、自分が新築する時に採用しない程に高いです。

水回り

水回り(キッチン、洗面、風呂)のリフォームはグレードによりピンキリですが100万円~400万円程度が一般的な目安です。

ガレージシャッター

電動ガレージシャッターの設置費用は20万円~100万円が目安です。わが家のビルトインガレージのシャッターは交換に税込み100万円かかりました。これは高級住宅だけにガレージの内装も凝っていて、その修繕費用も掛かったからです。

因みに元のシャッターよりグレードを下げて交換してもこの価格です。

迷走ドクター
迷走ドクター

故障してから交渉するよりも(以下同文)・・・

維持費で苦労しないための簡単な対策

迷走ドクター
迷走ドクター

高級な住宅は維持費も高くつきがちです。

きくたん
きくたん

どうすれば維持費で苦労せずに済みますか?

迷走ドクター
迷走ドクター

自分の収入に見合ったグレードの住宅を選べば良いのです。

きくたん
きくたん

「中古住宅の維持費が自分の収入に見合っているか」なんて、
分かりませーん!

迷走ドクター
迷走ドクター

以下のものを目安にすると良いと思います。

新築時の推定価格が自分の予算・収入相応の中古物件ならOK

迷走ドクター
迷走ドクター

これを言い換えると、次のようにも言えます。

「新築に払える自分の予算」よりも築年数分だけ安い中古物件ならOK

つまり新築に4000万円まで出せると考えているなら、中古物件は築年数に応じて3500万円までとか3000万円までの範囲で購入するのが良いと考えます。

新築予算が4000万円の時、新築時に6000万円だった家を中古で4000万円で購入するようなことは、個人的な経験からはおススメしません。

自分の新築予算から中古物件に回せる予算を考える

まずは自分が新築の家を建てるとして、予算を考えてみましょう。その時には無理なくローンを返済できる金額を設定しましょう

ローン・シミュレーターを使って新築の場合の予算を決める。

迷走ドクター
迷走ドクター

まずは、新築するつもりで予算を決めましょう。

きくたん
きくたん

どうやって決めるんですか?

迷走ドクター
迷走ドクター

ローン・シミュレーションで、無理なく返済できる金額を把握しましょう。

住宅購入の予算を考える際にはローン・シミュレーターを使いましょう。「住宅ローン」と「シミュレーション」で検索すれば様々な銀行のシミュレーターがすぐに見つかります。

自分が継続できる月々の返済額、返済期間、利率、頭金などを検討しましょう。ローンシミュレーションを行えば、予算がかなり具体的に見えてきます。

この時、自分が毎月返済できる限界の金額でローンを組まないようにしましょう。月々のローンの他に建物の修繕費用や固定資産税の支払いのための費用を捻出する必要があるからです。平均的な家でも毎月3.5万円程度は維持・修繕費に回す必要があります。

新築時予算から中古の建物価格に上限を設定する。

迷走ドクター
迷走ドクター

予算総額が分かれば、土地・建物への予算配分を決めましょう。

きくたん
きくたん

どう配分するんですか?

迷走ドクター
迷走ドクター

建物に必要な予算は、家族構成などから、必要な床面積を割り出して、坪単価をかけて計算します。

詳しく解説すると長くなるので、ここでは土地50%、建物50%としましょう。

自分が新築に回せる予算をもとに、中古住宅の場合の予算を計算しましょう。

例えば予算総額が4000万円だとします。地域によって地価は違いますので、一概に言えませんが、ここでは話を簡単にするために土地に2000万円、建物に2000万円とします。

新築の建物が2000万円だとして、その建物が中古物件になった場合の価格の推移をみてみましょう。

建物の価値の下落ペースは国土交通省の作成した「中古住宅流通、リフォーム 市場の現状」を参考に求めることができます。

中古戸建住宅の価格査定の例。築年数と売買価格の関係を示したグラフ。
出典:「中古住宅流通、リフォーム 市場の現状」国土交通省
迷走ドクター
迷走ドクター

木造住宅は、築15年まで新築時の価値の5-6%ずつ、ほぼ一直線に価値が下落します。

きくたん
きくたん

鉄骨造や鉄筋コンクリート造はどうすれば良いですか?

迷走ドクター
迷走ドクター

断言できませんが、鉄筋コンクリート造はマンションの下落率を参考にするとよいと思います。

きくたん
きくたん

鉄骨造は?

迷走ドクター
迷走ドクター

耐用年数(木造:22年、鉄骨:34年、鉄筋コンクリート47年)を考慮すると、
木造とマンションの中間位になりそうです。
年3.5%前後の下落でしょう。

この資料を基に木造の戸建ての場合を考えてみましょう。

そうすると新築で建物に2000万円出すことができるなら、中古なら以下の建物価格が購入予算として適性だと思います。

木造の場合割合予算の具体例
新築100%2000万円
築5年約70%約1400万円
築10年約45%約900万円
築15年約20%約400万円

つまり新築予算4000万円(土地2000万、建物2000万)まで出せるとき、築10年の中古戸建なら2900万円(土地2000万+建物900万)、築5年なら3400万円(土地2000万+建物1400万)であれば維持費も収入相応におさまる可能性が高いです。

迷走ドクター
迷走ドクター

逆に、築10年で価値が2000万の建物は、自分の予算(新築で2000万)に見合った建物とは言えません

きくたん
きくたん

つまり?

迷走ドクター
迷走ドクター

新築時点で4000万円以上の価値があった建物になるので、4000万円の建物に相応しい維持費がかかってきます。

きくたん
きくたん

よくわかりました。
でも中古住宅は土地・建物込みの値段しか分かりませんよね?
どうすれば、建物の値段がわかるんですか?

迷走ドクター
迷走ドクター

いい質問です。
では建物価格を推定する方法を解説しましょう。

中古物件(土地建物込み)の建物価格を把握する

中古物件(戸建て)は基本的に土地・建物込みの値段で売買されます。ですから建物単独の価格を把握するには一手間かります。

建て主に直接聞く

手っ取り早い方法は、内見などの際に建て主さんに上物(建物)の建築費用を聞くことです。ただし思い込みで間違っている可能性があります。また交渉を有利にするために、はぐらかされる可能性もあります。

はぐらかされた時は、建物の価格を推定する必要があります。建て主さんが建築費用を教えてくれたとしてもウラ取りを兼ねて計算してみるとよいでしょう。

建物価格を推定する

中古物件(戸建て)は基本的に土地・建物込みの値段で売買されます。

迷走ドクター
迷走ドクター

土地の時価が分かれば、建物単体の価格も推定できます。

土地価格(時価)を把握する

土地価格(時価)を推定するために、周辺の土地の相場を把握しましょう。近くに売地があれば、その坪単価が参考になります。

また、最近の土地の売買実績を確認できることもあります。国土交通省の土地総合情報システムを利用しましょう。運が良ければ同じ町内の土地の売買価格が確認できます。

迷走ドクター
迷走ドクター

わたしも土地総合情報システム(の前身)にお世話になりました。

建物価格を計算する

中古物件の売り値から土地価格(時価)を引けば、建物の現在の価格が分かります。

迷走ドクター
迷走ドクター

建物の現在の価格が分かれば、築年数から新築時の価格が推定可能です。

築年数を勘案して、その建物価格が自分の収入に見合っているか確認しましょう。

自分の収入から設定した建物新築の予算が2000万円(木造)の場合、自分の収入と釣り合う適正な中古建物価格は以下のようになります。念のためもう一度、先ほどと同じ表を出しておきます。

木造の場合割合予算の具体例
新築100%2000万円
築5年約70%約1400万円
築10年約45%約900万円
築15年約20%約400万円

総まとめ

注住宅を購入することの最大のメリットは、購入費用を抑えられることです。しかし自分の収入に不相応な高グレードの中古住宅を購入すると、維持に苦労することになります。

したがって、自分の収入に相応のグレードの住宅を中心に中古物件を探すことをお勧めします。そのためには、自分が建物を新築するときに出せる予算をもとに、築年数に応じて中古物件の建物に出せる予算の上限を下げましょう。建物価格の下落率は、国土交通省の中古住宅流通、リフォーム市場の現状を参考にしましょう。

中古物件の建物価格は、物件全体価格から土地価格を除くことで推定しましょう。土地価格は国土交通省の土地総合情報システムなどで調べましょう。

築年数を考慮して新築時の建物価格を推定しましょう。その価格が、自分が新築の建物に回せる予算に収まっていれば、維持費で苦労する確率は下がるでしょう。

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