住宅ローンの返済額は、現在の家賃より少なくするべき理由。建物の維持に必要な費用を考えよう。

住宅ローン以外にも気を付けておくべき費用について解説します。 マイホーム
住宅ローン以外にも建物の維持費が重しとなります。
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メガネたん
メガネたん

今支払っている家賃と同額をローンの返済に充てましょう。

返済が終われば自宅と土地が資産として残ります。

きくたん
きくたん

それもそうだね。

家買っちゃおうか・・・

迷走ドクター
迷走ドクター

だめだめ、ローン以外の費用も考えないとダメです!

きくたん
きくたん

エーッ?

そうなの?

わたしは一戸建(持ち家)に住んでいます。わたしが戸建てを購入する際には、次のようなことを言われました。

家賃と同額を住宅ローンの返済に充てて生活すればよい。持ち家という資産が最終的に残る。」と。

しかし、実際のところ、家賃と同額をローンの返済に充てればよいとは言えません。

もし、今支払っている家賃が、手取りからみてギリギリの金額ならば、住宅ローンの毎月の返済額は家賃より少なくしましょう。なぜならローンの返済以外の費用を考える必要があるからです。わたしが実際にローンを組んで戸建てを購入した経験をもとに解説します。

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ローンの返済以外で必要になる費用

戸建てであれ分譲マンションであれ、持ち家(土地・建物)を購入・所有することで必要になる費用はいろいろあります。主なものは以下の3つです。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 建物に付属する設備の維持・更新費用
  • 屋根や外壁の修繕費用

それぞれについて簡単に解説します。

きくたん
きくたん

いろんな費用がありますね。

迷走ドクター
迷走ドクター

これ以外にも色々あるよ。
例えば部屋数が増えることで光熱費が増えがちです。
庭があれば水撒きで水道代が増えたり、庭木の剪定費用が掛かります。

固定資産税・都市計画税

固定資産税は建物・土地を所有すると毎年支払う必要があります。また市街化区域内に土地や建物を所有する場合には、都市計画税も支払う必要があります。

支払時期

固定資産税・都市計画税の納税通知は毎年4月から5月頃に届きます。延滞税がかからないうちに納税しましょう。3カ月毎で4回に分けて分納することも、一括で支払うこともできます。一括払いによる優遇はありません。

費用の目安

実際の固定資産税額は土地や建物の評価額によって大きく異なります。平均的な固定資産税額は、戸建ての場合で12万円程度、分譲マンションでも10万円近くになります。

もちろん税額が10万円以下のこともありますが、都市部であれば固定資産税が20万円以上ということも充分ありえます。

迷走ドクター
迷走ドクター

持ち家を購入する前に、固定資産税・都市計画税がどの程度になるか把握しておきましょう。

建物に付属する設備の維持・更新費用

わたしがいう設備というのは、おもに給湯器、水回り(キッチン、トイレ、風呂、洗面)、ガレージシャッター、窓シャッターなどのことです。

交換・更新時期

電動シャッターの耐用年数はおおむね10年です。給湯器の標準使用期間も10年です。水回りのリフォームは10年~20年程度が目安とされています。持ち家だと、これらの費用は全て自分で負担となります。

迷走ドクター
迷走ドクター

10年前後で給湯器ガレージシャッタードアクローザーが次々故障して毎年のように出費が続いています。

きくたん
きくたん

トイレも故障したんですよね?

迷走ドクター
迷走ドクター

それは、ダイヤフラムの劣化だったから1000円ほどで自分で修理できました。
水回りは、あと5年耐えてほしいです・・・

迷走ドクター
迷走ドクター

なんて言っていたら、早速浴室にトラブルが発生しました。

費用の目安

4人家族ともなれば給湯器の交換費用は30万円以上します。

また、標準的な規模の工事でも、トイレのリフォームには30万円前後、浴室・風呂のリフォームには100万円前後かかります。

ガレージシャッターも電動シャッターなら最低でも20万円はみておく必要があります。大きさや性能によってシャッターの費用は大きく異なります。

迷走ドクター
迷走ドクター

シャッターの交換工事の体験談はこちらです。

屋根や外壁の修繕

屋根の再防水処理や外壁の再塗装は雨漏りを防止するために必要です。雨漏りすると建物の躯体にダメージが加わり、建物の寿命が短くなります。そうでなくても大規模な修復が必要となり、補修費用が余計に掛かります。屋根の再防水処理や外壁の再塗装は、できる限り雨漏りが起きる前に行いましょう

修繕時期の目安

屋根の再防水処理や外壁の再塗装は一般的には10年~12年ほどの間隔で必要です。(ただし最新のPalcon(大成建設ハウジング)のようにメーカーが15年間隔を推奨している場合もあります。参照:60年安心サポートプログラム

きくたん
きくたん

Palconはすごいですね。

迷走ドクター
迷走ドクター

でも、Palconは正規のメンテナンス費用もビックリするほど高いです。

家を買うときはメンテナンス費用も調べるべきですね。

修繕費用の目安

修繕費用は、延べ床面積で30から35坪の戸建てにウレタンやシリコンで標準的な塗装をした場合で80万円から120万円くらいです(「超簡単」。60分でわかる!リフォーム・外壁塗装の教科書 堤猛 CrossMedia Publishing)


迷走ドクター
迷走ドクター

上記の資料のお買い求めはこちらをどうぞ。


屋根や外壁の補修費用は建物の規模・構造、塗料やシーリング材のグレード、建物の損傷の有無などで大きく変化します。床面積が大きかったり、3階建てであったりすると費用はもっと高額になります。また建物の仕様上、単価の高い塗料が必要な場合には費用が跳ね上がります。

迷走ドクター
迷走ドクター

Palconのメンテナンス費用については下の記事をどうぞ

ローン返済以外で毎月積み立てておくべき費用を考えてみる。

平均的な一戸建てを想定して、実際にローンの返済以外に必要な主な費用を毎月積み立てることを考えてみましょう。ここでは固定資産税、給湯器、水回りリフォーム、屋根・外壁修繕に絞って検討します。

きくたん
きくたん

ローンの返済以外の費用が、月々どれくらいなのか見当もつきません。

迷走ドクター
迷走ドクター

平均的な一戸建てを想定して、主な費用を概算してみましょう。
毎月積み立てるイメージで計算します。

固定資産税

固定資産税は平均的な金額である12万円だと仮定しても毎月1万円の積立が必要です。

給湯器

4人家族であれば、ガス給湯器の号数は24~28号のことが多いです。すると値引きを考慮しても交換費用は30万円程度になります。電気式の場合はさらに高額になります。また、追い炊きや床暖房機能がついている場合も高額になります。

給湯器の標準使用期間は10年です。10年で必ず故障するわけではありませんが、もし10年間隔で30万円の交換費用が必要だとすれば、毎月2500円の積立が必要です。

水回り(風呂・洗面・トイレ・キッチン)のリフォーム

水回りのリフォームの目安は10年から20年です。20年目に一気に風呂・洗面・トイレ・キッチンすべてリフォームするとしましょう。価格はピンキリですが、いちおう200~300万円はみておきましょう。

20年後に300万円の予算でリフォームするとすれば毎月12500円の積立が必要です。

屋根・外壁の修繕

屋根防水・外壁塗装のやり直しは10年~12年間隔が目安です。屋根の再防水、外壁の再塗装の費用は、延べ床面積で30から35坪の戸建てにウレタンやシリコンで標準的な塗装をした場合で80万円から120万円くらいです(「超簡単」。60分でわかる!リフォーム・外壁塗装の教科書 堤猛 CrossMedia Publishing)

10年間隔で120万円の工事だとすると、毎月1万円の積立が必要です。

マンションの場合、毎月の修繕積立金がもともと設定されていますが、大規模修繕の際には追加負担が必要なことがありますので注意が必要です。

毎月の積立額のまとめ

ここまでの毎月の積立額をまとめると以下の通りです。だいたい毎月35000円は必要になります。これはあくまで標準的な規模の戸建てを想定した一例です。立地、床面積、建物の構造、リフォームの内容などによって金額はもっと高額になることもあります。

目的毎月の積立額
固定資産税・
都市計画税
10000円
給湯器2500円
水回りリフォーム12500円
屋根・外壁修繕10000円
合計35000円
建物の維持費(月額)の内訳。戸建てなら月額3万5千円は覚悟しておくべき。
きくたん
きくたん

毎月35000円ですか?

結構かかりますね。

迷走ドクター
迷走ドクター

これは平均的な規模の戸建てのケースです。

建物のグレードや地価次第でもっと高くなります。

まとめ

きくたん
きくたん

維持費を大家さんが負担してくれるなら、賃貸のほうが得じゃないですか!

迷走ドクター
迷走ドクター

大家の立場になって考えればわかりますが、維持費を組み込んで家賃を設定しています。その他にも、空室リスクも組み込んで家賃を設定する筈です。

もちろん競争が激しい地域なら割安の賃貸はありえます

きくたん
きくたん

どっちが得かわかりません!

迷走ドクター
迷走ドクター

持ち家と賃貸はどちらも一長一短。損得は人それぞれです。

ただ、家を買うなら「家賃」=「ローン返済額」+「建物維持費」にしておくと無理のない返済プランが組めます。

持ち家を考えている方は、毎月のローンの返済額を安易に家賃と同程度にしないように気を付けましょう。一戸建ての場合、建物の維持管理で毎月数万円の積立が必要だと考えましょう。

では維持管理費が大家負担の分だけ賃貸のほうが有利なのでしょうか?

わたしはそう思いません建物・付帯設備の維持に必要な費用はあらかじめ家賃に上乗せされているのだと考えるべきです。

家賃に維持費が組み込まれているのですから、持ち家を考える際には、「ローン返済額+建物の維持費」を家賃と同等にするのが正解です。

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