概要
ベトナム国債の格付けはBB (リスクは相応に高い)で投機的格付けに該当します。つまり投資不適格債(ジャンク債)になります。2012年頃からベトナム国債10年物利回りは下がり続け、2021年には2%台前半まで下落しています。
金利と債券価格の逆相関もほとんど見られません。ですから金利低下に伴う債券価格の上昇で、売却益を狙うのも難しいです。たまに激しい乱高下を見せるため上手く相場に乗れれば利益を出せる可能性はあります。しかし難易度は高い印象です。
わたしは、投機ではなく投資をしたいと考えているので、ベトナム国債については現時点では投資の対象外と考えています。そもそもベトナム国債を個人が気軽に売買できる国内の銀行や証券会社はないようです。
概要だけで十分な方は
次の記事、マレーシア①基本情報編もどうぞ。
前の記事をまだ読んでいない方は、ぜひ読んでください。
ベトナム①基本情報編
ベトナム②メリット・デメリット編
ベトナム③株式編
になります。
インドネシア編もありますよ。
ベトナム国債の格付け
ベトナム国債はどれくらいですか?
ベトナム国債の信用リスクは相応に高いです。
相応に高い ?
投資不適格つまり投機的格付けになります。
いわゆるジャンク債です。
低リスクではないです。
まずベトナム国債の格付けを確認しましょう。S&Pによる国家信用格付けでは、ベトナムの格付けはBBです。BBは「債務履行に当面問題はないが、将来確実とはいえない」ことを意味します。BBは投資不適格(投機的格付け)に該当し、いわゆるジャンク債として扱われます。しかしジャンク債のなかでは、次いで信用が高いグループです。
ちなみにアメリカ国債はAA+(信用リスクは極めて低い)、日本国債はA+(信用リスクは低い)、インドネシアBBB(信用リスクは中程度)です。
格付け | 信用リスク | |
アメリカ | AA+ | 極めて低い |
日本 | A+ | 低い |
インドネシア | BBB | 中程度 |
ベトナム | BB | 相応に高い |
ベトナム国債は年利回りが低下している。
リスクが高いなら高利回りなんですよね?
いえ、ベトナム国債10年物の利回りは2021年8月で2.1%台を割り込んでいます。
たしかインドネシア国債ってもっと高利回りですよね?
はい、インドネシア国債10年物利回りは6%/年以上ありますね。
うーん・・・
つぎに国債の利回りを確認しましょう。下のグラフは10年物のベトナム国債の利回りのチャートです。ベトナム国債も昔は高い利回りが特徴でした。しかし2012年頃から利回りは低下し続けています。そして2021年8月には、利回りが2.1を割り込んでいます。
ベトナム国債で売却益を狙うのは難しい
待ってください、アメリカの金利低下で債権の売却益が出たって言ってましたよね!?
よく覚えていましたね。
正確にはTLT(米国債20年超ETF)の売却益です。
基本的に債券利回りが低下すると売買価格は上昇するため、売却益が狙えます。
じゃあ、ベトナム国債も満期を待たずに売却益で儲けましょう!
残念ですけど、そう上手くはいかないようです。
ベトナム国債の売買価格の推移を見てください。
ぜんぜん右肩上がりじゃないですね。
一般的には債券利回りが低下すると、債券の売買価格は上昇します。2020年はコロナショックへの対応で米国の誘導目標金利が大きく低下しました。その結果、米国債の売買価格は上昇しました。TLT(米国債20年超ETF)の上昇は素晴らしく、ピークからの下落もゆっくりでしたので比較的簡単に売却益を得ることができました。ただし国債の売買価格はTLTほどには簡単な推移ではなかった様に思います。ではベトナム国債はどうでしょうか?
では、10年物ベトナム国債の売買価格も確認してみましょう。時折激しい乱高下を見せています。しかし2012年以降の利回り低下と逆相関するような価格上昇はみられません。売買のタイミングが良ければ大きな利益が出せる可能性はありますが、実際に売却益を狙うのは難しい印象です。
ベトナム国債への投資は、当面行わないことにした
わたしはベトナム国債への投資(投機?)は当面行わないことにしました。そもそもベトナム国債を取り扱っている日本国内の金融機関をわたしは見つけることができませんでした。
それに、ここまでで示したように、ベトナム国債で利益を出すのは、金利でも売却益でも難しい状況にあります。新興国国債に投資するならアジア圏内でもインドやインドネシアという選択肢もあります。2021年時点ではベトナム国債に拘る必要はありません。
この記事の内容はあくまでも個人の考えです。投資による利益を保証するものではありません、投資はあくまでも自己責任でお願いします。
最後まで疲れさまでした。
次の記事、マレーシア①基本情報編もどうぞ。
前の記事をまだ読んでいない方は、ぜひ読んでください。
ベトナム①基本情報編
ベトナム②メリット・デメリット編
ベトナム③株式編
になります。
インドネシア編もありますよ。
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