TLT価格が急落!膨れ上がる含み損

資産運用
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2020年には$170台もつけていたTLTの価格が、2022年5月6日には$113.67まで下落しています。実に35%以上の下落率です。わたしのTLT平均購入価格は5月6日時点で$121.94ですので7%に迫る含み損を抱えています。

どうしてこんなことになったのでしょう?

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そもそもTLTとは

TLTは米国の上場投資信託の一種です。TLTには以下の特徴があります。

  • TLTは米国の長期国債に特化したETF。
  • TLTの価格は米国の長期金利と逆相関を示す。
  • TLTの価格は株価下落時に上昇しやすい。
  • 株式とTLTを適切に組み合わせると全体の安定性が増す

TLTの特徴については、別の記事でもっと詳しく取り上げています。

約40年ぶりの高いインフレ率

TLT下落の背景にあるのは物価上昇です。2022年3月の米国の個人消費支出物価指数は前年同月比で6.6%上昇でした。これは40年ぶりの非常に高水準の物価上昇です

(参考文献:日本経済新聞 2022年5月6日)。

米国で22年ぶりの0.5%利上げ

この物価上昇をうけて、インフレ抑制のためにFOMCが動きました。2022年5月のFOMCでは政策金利が0.5%引き上げられたのです。一度に0.5%も利上げするのは実に22年ぶりのことです。これによって政策金利(誘導目標金利)は0.75%~1.00%となりました。そのため米国債10年物利回りも3%を超えてきました。

(参考文献:日本経済新聞 2022年5月6日)。

金利と債券価格は一般的には逆相関を示します。つまり金利上昇局面で債券価格は下落します。TLTは米国債に特化したETFです。ですから、金利上昇時にはTLT価格は下落します。

110ドル台までは想定したものの…

2018年に10年債利回りが3%に達した際のTLT価格はおよそ$117でした。ですからTLTは$120を少し下回る程度で落ち着くだろうと考えていました。とはいえ、米国のインフレ・ターゲットと2011年TLT最安値からの推定で、$110程度までは念のため想定していました。

ところが5/6時点ですでにTLT価格は$113台まで急落しています。価格はともかく下落の勢いはわたしの想定をはるかに超えています。正直、自分の予測は甘々でした。

ですが、お金に関する経験談・失敗談を提供するのがこのブログの主旨ですから早速報告させていただきました。

今後の展望

TLT価格の下落は続きそう

TLT価格はさらに下落する可能性は高いです。なぜなら利上げはまだ始まったばかりだからです。

経済を刺激しない政策金利(中立金利)はおよそ2.4%/年とされています。そのため金利先物市場では、2022年末までに2%以上になることを既に織り込んでいます。さらに2023年半ばに3%台に達するとの観測も5割を超えています。

(参考文献:日本経済新聞 2022年5月6日)。

金利が上昇するなら、TLT価格は下落すると予想されます。ではどこまで下がるのでしょうか?

チャートから見る底値の目安

TLTのチャートを見ると、$110の水準を割ってきた場合、2010年以降では、目安になりそうなのは2010年の高値($106前半)、2013年末の安値($101台後半)、2011年の安値($88台後半)くらいしかありません。

https://jp.tradingview.com/のチャートを改変

$88はともかく、$100くらいまでは想定したほうが良いかもしれません。しかし、過去に前例のない急激な利上げが予想されていますので、チャート(前例)はアテにならないかもしれません。

そうだ!米ドルの比率を上げよう

そもそも、金利をあげます、量的緩和を縮小します、米国の中央銀行が言っている訳です。つまり市場に出回るドルの量を減らします、ドルの相対的価値を上げますと中央銀行が言っているようなものです。すくなくとも対米国株での米ドル価値の上昇は既定路線と考えてよいと思います。中央銀行に逆らわず、ドルの保有量を増やすのが無難でしょう。

ですから、現時点で米国債やTLTを大量に買うことは正直お勧めしません。政策金利の引き上げが一段落するまでは現金比率を高めておくのが良いように思います。具体的には2023年以降まで米ドル建てMMFの比率を高めたいと思います。

そのため、毎月の定期的な増額分の50%は、ドル建てMMFに投入することにします。とはいえ、長期金利3%以上は自分が決めたTLT購入の基準に合致しています。残りの50%はTLTの定期購入に充てたいと思います。

株式への投資は当面お休みです。わたしは、あまりアクティブに運用していません。保有する株式(のETF)はそのままホールドします。しかし資金の追加投入は控えます。上級者の方なら、とっくに株式は現金化しているでしょうけど・・・。

そしてMMFからTLTやその他のETFへの大がかりな資金移動は2023年の金利動向で判断したいと思います。

悪い虫の囁き

でも、それだけではつまらないと自分の中の悪い虫が囁きます。ですから$107や、$102の水準では、まとまった資金をTLTに移そうと思います。

TLTが$102まで下落した場合の含み損を計算すると、冷汗がでます。しかし今後の展開が楽しみでもあります。果たしてどうなることやら・・・・

この記事での予測はあくまで個人的な投資方針をお話ししただけです。あくまでも投資は自己責任でお願いします。

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