家を建てて10年もすると、外壁や屋根のメンテナンスが必要になってきます。しかし、建物の規模や状態によってメンテナンス時期や費用は様々です。
特にメンテナンス費用の情報が少ない住宅の一つに、大成建設ハウジングのパルコン(Palcon)があります。
この記事では、パルコンのメンテナンスについて公開されている稀少な情報をまとめました。さらに、わたしの自宅のメンテナンス費用と比較検討し、費用を抑えるための対策を紹介します。
パルコンにお住まいの方は是非とも参考にしてください。それ以外のメーカーの方にも参考になれば幸いです。
メンテナンスは10~15年間隔が目安
メンテナンス費用について紹介する前に、防水・外壁のメンテナンス時期について解説します。
大成建設ハウジングによると新築後、最初のメンテナンスの時期はおおむね10-15年目です。パルコンの防水・外壁メンテナンス時期に幅があるのは、建築時期によって扱いが異なるからです。
メンテナンスの間隔が決まっているんですねー。
それは、あくまでもメーカー保証を受けるための間隔です。
保証に拘らなければ建物の状態で判断すれば良いんですよ。
大成建設ハウジングの推奨するメンテナンス時期
外壁・防水のメンテナンス(有料)の時期について、大成建設ハウジングのサポートプログラムの説明に沿って見てみましょう。基本的に3つのケースがあります。
- 2010年4月以降に新築
- 2000年以降に新築
- 中古住宅および築20年以上の建物(2020年時点)
2010年4月以降に新築の場合:15年
2010年4月以降に新築のパルコンには、「60年安心サポートプログラム」があります。「60年安心サポートプログラム」の場合は15年目、30年目、45年目で外壁・防水のメンテナンス(有料)となります。
「最新のパルコンの防水や塗装は15年以上持つ」という大成建設ハウジングの自信が垣間見えます。
2000年以降に新築の場合:10年
2000年~2010年3月までに新築のパルコンには、「長期保証制度特約」というサポート・プログラムが提供されています。「長期保証制度特約」では10年で1回目の外壁・防水のメンテナンス(有料)となります。
中古住宅および築20年以上の建物(2020年時点):10年
中古住宅や築古のパルコンには築60年目までを対象とした「ファミリアサポートプログラム」があります。「ファミリアサポートプログラム」では10年ごとのメンテナンス(有料)となっています。
「10年過ぎたら外壁塗装」はあくまでも目安
実際に防水や外壁のメンテナンスが必要な時期は、建物のおかれた環境や状態によって違います。防水や外壁が10年持たないこともあれば、15年以上持つこともあります。
「10年」という期間は、訪問販売系の塗装業者がセールストークとして広めたものです。検査する前から「10年過ぎたら外壁塗装しないと建物が傷みます」と断言してくる場合は、ウソですので注意しましょう(#2)。
では、メンテナンス時期はどうやって決めるんですか?
結局は、建物の状況次第です。10年たったら塗装や目地、防水の状態を点検すると良いです。
外装の点検を受けてみる
メンテナンス時期を決めるには、外装(防水・塗装)の点検を受けるのが良いです。
点検は誰に相談すればよいですか?
大成建設ハウジングの担当者さんが信頼できるなら、担当者に相談すればよいと思います。
そうでもない場合は?
有料の点検を受けてみる方法があります。
大成建設ハウジング
わたしの自宅の場合、中古物件を購入しています。入居前のリフォームの際に、大成建設ハウジングさんに依頼し、その後も相談に乗ってもらっています。
担当者さんには、躯体をいじる可能性がある時にいつも助けてもらっています。そして、担当者さんと会うたびに、目地や塗装の状態についても教えてもらっていました。
築10年頃には担当者さんは次のように言っていました。
「まだもう少し持ちそう」
「築15年までには考えましょう」
(築10年ころ)
ふーん。
強引にメンテナンスを勧めてこなかったんですね。
こういう担当者さんだと信頼度が増しますね。
しかし築17年ごろには、次のように言われました。
「目地が硬くなってしまってます。」
「打ち放し部分の撥水剤がかなり剥げてしまってます。」
「流石にそろそろ・・」
この言葉でメンテナンスを決断しました。
大成建設ハウジング以外に相談するなら、有料点検
大成建設ハウジング以外の意見が知りたい場合には、有料の点検をしている業者に相談しましょう。
無料点検は、そのまま塗装工事に誘導される可能性が非常に高いため避けましょう。点検には人件費がかかるため、無料ですむ筈がありません。つまりはウラがあります(#2)。
えーっ!
無料点検じゃダメなんですかぁ?
「タダほど高いものはない」ということです。
悪徳業者に騙されないために、「雨漏り修理のプロが教える屋根・外壁のメンテナンス」で知識を身につけましょう。
ネット上のメンテナンス費用まとめ
パルコンの防水・外壁のメンテナンス費用については、ネットに公開されている情報がとても少ないです。そうした貴重な情報をまとめて紹介します。
ケース① 築15年、床面積50坪で430万円
出典は、我が家のPalcon(Q&A、「パルコンのメンテナンス費用 【2004/11/26(Fri)】」のトロンさんの書き込み)です。ある程度詳しく、内訳や工事内容を記載してくれています。
建物の状態
床面積が約50坪、築15年です。
工事内容
断熱ブロックは撤去して全て新品と交換。塗装はアクリル塗装です。
アクリル塗装ってどんなのですか?
詳しくは説明しないけど、
アクリル塗装は単価がやや安くなるのがメリットです。
しかし耐久性に劣るのがデメリットです。
費用の内訳
メンテナンス費用の内訳は以下の通りです。
費用 | |
足場代等 | 35万 |
屋根補修・防水 | 250万 |
外壁再塗装 | 100万 |
諸経費 | 40万 |
合計 | 425万 |
外壁塗装の費用は、アクリル塗装を選択することで抑えられています。
一方で断熱ブロックを全部交換とした屋根の補修費用が高額となっています。
うわーっ!
結構かかりますね。
パルコンのメンテナンス費用はとにかく高いんです。
ケース② 築10年で約400万円
出典は、パルコン旅行記(「10年:メンテナンスの現実」)です。
建物
建物の規模に関する記述が見当たりませんでした。築10年目でのメンテナンス費用です。
工事内容
詳細は語られていません。断熱ブロックは一時撤去・再利用です。
屋上(陸屋根)部分の手すりの撤去、再設置を含めた費用とのことです。
手すりの一時撤去って必要なんですか?
躯体と手すりの接合部の補修が必要だから、一時撤去という選択肢はあり得ますよ。
補修しないと手すりの根元から雨水が侵入するケースがあるんですよ。
費用
見積もり業者は大成建設(大成建設ハウジング)。メンテナンス費用は約400万円です。
ケース③ 築10年、床面積約30坪で170万円
出典は東京家物語(「10年点検結果とリフォーム見積」)です。
建物
建物は100平米(約30坪)(「私の住み替え遍歴」より)です。
工事内容
工事内容は、断熱ブロックには手を付けず、陸屋根の縁まわりから下の補修(パルコン板の継ぎ目の材料交換、再シール、外壁再塗装、基礎の保護塗装(ビームプロテクタ))のみです。
費用
初回見積もり200万円で、30万円値引きで170万円です。屋根の状態が良く、断熱ブロックの補修やその下の防水工事が無い分、安価になっています。
屋根防水の状態が良ければ、こういう選択肢もあるようです。
ケース④ 300-350万円
株式会社MISUZUウェブサイトに掲載の施工例です(「断熱ブロックを再利用して屋上防水工事 大成パルコン」)。
このケースの業者は大成建設ハウジングではありません。
建物
建物は2階建てです。面積は不明ですが、掲載された写真から50-60坪はありそうです。
工事内容
屋根の補修工事では断熱ブロックを一時撤去して、ウレタン防水をしています。断熱ブロックを可能な限り再利用することで費用が圧縮できています。
費用
メンテナンス費用は300万~350万円です。また大成建設ハウジングを通さず直接業者に依頼している分だけ安く済んでいるようです。
わたしの自宅のメンテナンス費用:478万円(税抜)
わたしの自宅のメンテナンス費用は約478万円(税抜)となります。内訳は後で公開します。
つぎに建物の状態や工事の内容について簡単に説明します。
建物の基本情報
建物は築18年目。床面積は約60坪余、3階建てです。
工事内容
工事内容は、屋上の補修、外壁の補修です。それぞれについて説明します。
屋上の補修
屋根の補修には、防水処理のやり直しと、断熱ブロックの補修を行いました。
屋根の防水はウレタン(2回塗り)です。
断熱ブロックはなるべく再利用し、状態の悪いものだけ交換としました。
外壁の補修
外壁の補修では、目地シールの補修と、外壁塗装のやり直し、基礎部分の再塗装を行いました。
外壁塗装は水性シリコンおよび打ち放し用の塗装です。
打ち放しって、コンクリートむき出しじゃないんですか?
パルコンの打ち放し部分は厳密には、表面を保護するための撥水剤の塗装がしてあります。
費用
わたしの自宅の場合は、大成建設ハウジングに依頼しました。メンテナンス費用は総額478万円(税抜き)で、大まかな内訳は、下の表のとおりです。
費用 | |
足場代等 | 74万 |
屋根再防水 | 166万 |
外壁再塗装 | 248万 |
諸経費 | 52万 |
値引き | -62万 |
合計 | 478万 |
考察
メンテナンス費用について表にまとめてみました。数字はおよその数字ですのでご了承ください。空白部分が多いですが、参考にはなると思います。
自宅 | ① | ② | ③ | ④ | |
床面積(坪) | 65 | 50 | 30 | 50以上? | |
築年数(年) | 18 | 15 | 10 | 10 | |
足場代等(万円) | 74 | 35 | |||
屋根再防水(万円) | 166 | 250 | |||
外壁再塗装(万円) | 248 | 100 | |||
諸経費(万円) | 52 | 40 | |||
値引き(万円) | -62 | -30 | |||
合計(万円) | 478 | 430 | 400 | 170 | 300-350 |
メンテナンス費用全体の推定方法についての考察
防水や外壁のメンテナンスでは屋根の面積、建物の外周、階数が重要です。しかし、これらの条件は各ケースで明らかになっていません。
しかし床面積から割り出した坪単価でもある程度の傾向は見えるはずです。
少々強引ですが、坪単価を出してみましょう。
結果が気になりますねー!
大成建設ハウジングなら単価は7-9万円/坪
分かる範囲で坪単価を計算してみました。結果は以下の通りです。
わたしの自宅:7.35万円/坪
ケース① :8.60万円/坪
ケース③ :5.66万円/坪
ただしケース③は、屋根の補修がある程度は省略できているケースです。
屋根の本格的な補修を含めればメンテナンス費用は7万~9万円/坪と考えられます。これによって、メンテナンス費用が予測できます。
ただし実際の費用は、建物の損傷の程度に左右されると思います。
坪単価7万~9万円というのは、
あくまでも躯体に重大な被害がない場合のメンテナンス費用になります。
塗装専門業者なら5~6.5万円/坪
ケース④のメンテナンス費用が比較的安いのはハウスメーカーを通していない工事だからです。
一般的に、ハウスメーカーにメンテナンスを依頼した場合、ハウスメーカーの利益分として30-40%費用が上乗せされます(#6)。塗装専門業者に直接依頼すれば、その分だけ費用を圧縮できます。
ですから塗装専門業者に直接依頼した場合の坪単価は、5~6.5万円/坪になります。
ハウスメーカーの取り分が30-40%もあるんですね!
メーカーも商売ですからねえ。
でも次のメンテナンスをメーカーに頼むかは悩みどころですねぇ。
足場代についての考察
つぎに、わたしに自宅のケースで足場代を分析してみましょう。
純粋な足場代は約52万円
わたしの自宅の場合、足場代等には警備員代や産廃処理費用などが含まれています。契約書の明細を確認すると、足場代自体は約52万円でした。
足場代が52万円!?
高ーい。
これは妥当な金額なのでしょうか?
足場代の計算方法を見てみましょう。
足場代の推定方法
足場代は以下の式で推定可能です。自宅の図面があれば簡単に計算できます。
足場代 = (建物の外周(m) + 8) × 家の高さ(m) × 平米単価
家の高さの目安は、1階建て=3.5m、2階建て=6m、3階建て=8.5mです。
平米単価の目安は、2階建て800円/㎡、3階建て1000円/㎡です。
3階建ては足場代が高くつく
上記の計算式からわかるように、足場代は「建物の外周が長いほど」・「建物の階数が大きいほど」に高くなります。
わたしの自宅で足場代が高いのは、建物が3階建てであるのも理由の一つです
足場代は事前に計算しておく
わたしの自宅の場合、後知恵で計算してみると、推定の足場代は44万円でした。実際の費用(52万円)は8万円ほど割高でした。割合でいうと18%の割高です。もう少し交渉すればよかったです。
みなさんは、事前に足場代を計算しておきましょう。
交渉の材料になります。
屋上の補修についての考察
屋上の補修には、防水塗装の補修と断熱ブロックの交換・補修があります。それぞれについて考察します。
ウレタン防水は密着工法
防水塗装は、ウレタン防水2回塗りが標準とのことです。わたしの自宅の場合は、密着工法です。
密着工法ってどういうものです?
ウレタン塗膜防水材を直接塗り付ける工法です。
防水する面積が小さい時に行う一般的な工法なんですよ。
自宅の場合の単価は4850円/㎡でした。ウレタン防水(密着工法)の相場は3500〜5000円/㎡なので、相場の中で高めの設定ですね。大成建設ハウジングに依頼するなら、この金額でやむを得ないと思います。
断熱ブロックは再利用で費用を圧縮
断熱ブロックの交換は、かなりの費用がかかります。実際ケース①ではスタイロガードの全面交換費用だけで80万円になっています。
断熱ブロックは再利用・部分的交換で費用を圧縮しましょう。わたしの自宅の場合では、断熱ブロックの再利用部分の単価は2250円/㎡でした。スタイロガードEXへの交換の単価:8200円/㎡と比較すれば安くなります。
ただし、損傷が激しくて再利用できないブロックもあるので一部は新品に交換になります。
断熱ブロックはできるだけ再利用してもらいましょう。
外壁の塗装についての考察
外壁の補修費用では、わたしの自宅のケースは非常に高額となっています。その理由について分析します。
目地シールの補修費用が意外と高くつく
目地シールが脱落したり、ひび割れたりしていると雨水が侵入する原因になります。目地シールの補修は、塗装と同じくらい重要です。では実際の費用・単価はどれくらいでしょうか?
わたしの自宅の場合、目地シールの補修だけで約110万円かかっています。契約時の目地シール補修の単価は以下の通りです。
目地シールの増し打ち:380円/m
目地シールの打ち替え:1200円/m
打ち放し部分の打ち替え:1400円/m
相場が500~1500円/mなので、相場どおりの単価です。この部分に交渉の余地は無かったと思います。
「打ち替え」って何ですか?
打ち替えは、既存の目地シールを撤去して、新しいシールを打ちます。
手間がかかる分、単価が高いです。
「増し打ち」は?
増し打ちは、既存の目地シールの上から新しいシールを打ちます。
目地溝に十分余裕がある場合にのみ行います。
目地溝に十分余裕がないのに行う増し打ちは、単なる手抜きです。
パルコンは工法的に目地シールが多くなる
パルコンは普通の鉄筋コンクリートと異なり、工場で生産されたパネルを組み立てる工法です。
そのためパネルの継ぎ目はシール材でふさぐことになります。通常の鉄筋コンクリート造の建物より継ぎ目が多いため、目地シールの費用が高くなる傾向があります。
アクリル塗料は安価だが耐久性が劣る
ケース①ではアクリル塗装を選択することで費用を圧縮しています。ただし、耐久年数がシリコン塗料より劣るという欠点があります。
「\家も寿命を20年延ばす/はじめての外壁塗装」(#7)によると塗料ごとの塗装の単価と耐久年数は、以下のようになります。
塗料 | 特徴 | 単価(円/㎡) | 耐久年数 |
アクリル | 安価だが 耐用年数が短い | 1400 ~1600 | ~5年 |
ウレタン | 安価だが 耐用年数が短い | 1700 ~2200 | 5~8年 |
シリコン | コスパがよく、 耐久性もよい | 2300 ~3000 | 8~12年 |
ラジカル | シリコン塗料の一種で シリコンより耐久性が ある | 2300 ~3500 | 12~15年 |
フッ素 | 高価だが艶が美しく、 シリコン塗料より 耐久性がある | 3800 ~4800 | 15~18年 |
無機 | 耐久性もいいが、 新しいため高価 | 4500 ~5500 | 20~25年 |
光触媒 | 高価だが、セルフ クリーニング機能 がある。 | 4200 ~5000 | 15~20年 |
わたしの自宅の場合、水性シリコン塗装の単価は2480円/㎡でしたので、大成建設ハウジングの単価も妥当な値だと言えます。
アクリル塗料は次のメンテナンス時期が早くなってしまいます。塗装の度に足場代が必要になることも考慮して検討する必要があります。
「安物買いの銭失い」にならないようによく検討しましょう。
「\家も寿命を20年延ばす/はじめての外壁塗装」を読んで検討することをお勧めします。
塗膜が高耐久でも、ヒビが発生すれば雨水は侵入
塗料の耐久性が良くて困ることはありませんが、過信は禁物です。高耐久性の塗料と言えども十分な性能を発揮できるとは限らないからです。その理由は「構造のゆがみ」や「外壁のヒビ」です。
例えば外壁にヒビが入り、そのヒビが塗膜の伸び率を上回れば塗膜は割けてしまいます。すると塗膜自体の耐久性とは関係なく、裂け目から雨水が侵入します(#6)。
そして、地震につよい鉄筋コンクリ造であっても、強い揺れによって開口部などにひび割れが発生します(#8)。
高耐久性の塗料と言えども過信は禁物です。
塗料が高耐久なら、シーリング材も高耐久にする
通常のウレタンシーリング材量はの耐久期間は7年~8年程度(#8)です。塗料だけがが高耐久でも劣化したシーリングから雨水が侵入します。
高耐久の塗料を選択するなら、
シーリング材も高耐久のものを選択しましょう。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造のメンテナンスについては、こちらの本が詳しく解説しています。(残念ながらパルコンは解説されていませんが、参考になります。)
打ち放し部分は塗装費用が高い
「打ち放し」は、厳密にはコンクリートむき出しではありません。コンクリートを保護する撥水剤が塗布されています。パルコンの「打ち放し」も、コンクリート表面を保護する塗装をしています。
では「打ち放し」部分の塗装費用を見てみましょう。
打ち放し部分の塗装単価は4720円/㎡
そしてパルコンの「打ち放し」部分の塗装は、4720円/㎡です。これはフッ素系や光触媒系など高価な塗装と同レベルの単価です。ちなみに水性シリコン塗装の単価は2480円/㎡ですから、ほぼ2倍です。
実際、わたしの自宅の場合は、打ち放し部分の再塗装だけで100万円以上かかっています。
打ち放しをやめて費用を圧縮
これから新築される方で、メンテナンス費用を抑えたい方は、打ち放しを選択しないほうが良いです。現在、「打ち放し」部分が多くて費用が心配な方も、「打ち放し」をあきらめて水性シリコン塗装に切り替えることで単価を下げられます。
打ち放しは、メンテナンス(塗装)費用が高いんですね。
打ち放しのメリットは、デザイン性です。
デザイン性と経済性(メンテナンス費用)のどちらを優先するかよく考えましょう。
まとめ
パルコンの外壁と防水のメンテナンス時期は建築時期よって異なりますが、築10年~15年が一つの目安です。メンテナンス時期はメーカー担当者とよく相談するか、有料の点検で判断しましょう。
メンテナンス費用は、建物規模によって違います。パルコンだと床面積一坪あたり8万円前後が目安です。
ただしメンテナンス費用は必要な工事の内容によって変わります。断熱ブロックの交換の有無、塗装の種類、足場代などは影響が大きいです。
断熱ブロックは、再利用することで費用を圧縮できます。担当者に確認してみましょう。
外壁の塗装の種類では、打ち放し部の塗装は、水性シリコン塗料やアクリル塗料より2~3倍高価です。費用を抑えるなら、打ち放し部分をなくすことも検討しましょう。
足場代は、外周の長さと建物の高さから予測できます。値引きの判断材料になるので足場代はあらかじめ計算しておきましょう。
パルコンのメンテナンス費用は高額になりがちです。ハウスメーカーを通さずに塗装専門業者に依頼することで、30%程度費用を抑えることができる場合があります。どうしても予算的に厳しいなら、塗装業者に直接依頼することも考えてみましょう。
関連記事
外壁リフォームから1年足らずで問題が発生しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
参考資料
#1 我が家のPalcon(Q&A、「パルコンのメンテナンス費用 【2004/11/26(Fri)】」)
#2 雨漏り修理のプロが教える屋根・外壁のメンテナンス
(雨漏り110番グループ 編著、唐鎌謙二・藤田裕二・原田芳一・倉片康幸 著、学芸出版社)
#3 パルコン旅行記(「10年:メンテナンスの現実」)
#4 株式会社MISUZUウェブサイト(「断熱ブロックを再利用して屋上防水工事 大成パルコン」)
#5 東京家物語(「10年点検結果とリフォーム見積」)
#6 「超簡単」60分でわかる!リフォーム・外壁塗装の教科書(堤 猛、CrossMedia Publishing)
#7 \家も寿命を20年延ばす/はじめての外壁塗装(久保 信也、幻冬舎)
#8 鉄骨と鉄筋コンクリート造の建物修繕がわかる本(大塚 義久、セルバ出版)
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