ネコ撃退グッズの一つとして、臭いで撃退する忌避剤があります。わたしが使用しているフマキラーの「犬猫まわれ右」を例に、忌避剤の使い方、費用、良い点・悪い点などを解説します。
忌避剤の使い方
忌避剤は臭いでネコにとって不快な環境を作り出します。わたしが使用しているのは、フマキラーの「犬猫まわれ右 粒剤」です。 臭いは2種類あります。基本的な使用法を説明します。
2~4週毎に散布する
「犬猫まわれ右 粒剤」の場合、1平米あたり50gを散布しましょう。忌避剤は時間とともに臭いが弱くなります。2週間~4週間に1回のペースで散布する必要があります。
また、大雨の際には忌避剤が流されてしまいます。大雨の後にも散布が必要です。
異なる臭いをローテーション
また、同じ臭いの忌避剤を散布し続けていると、ネコが慣れてしまう可能性があります。慣れを防ぐために2種類の臭いを交互に使用するほうが良いです。
植物に直接かけない
「犬猫まわれ右 粒剤」 の説明書には「日本芝以外の植物には直接かけないでください。枯れる恐れがあります。」とあります。植物に直接かけないように注意してください。
忌避剤にかかる費用
それではフマキラーの「犬猫まわれ右 粒剤」を例にとって、費用を計算してみましょう。
平米単価は41円~56円
「犬猫まわれ右 粒剤」 の場合、850g入りのボトルを1本あたり大体700~950円で入手できます。散布量は50g/平米が目安ですから、1本で17平米に散布できます。平米単価は41円~56円/平米になります。
では、一般的な戸建住宅の場合、散布するためにかかる費用はいくら位でしょうか?
初期費用は2000円~3000円が目安
外構全体に忌避剤を散布するとすればどれくらいの費用が必要なのでしょうか。一般的な戸建なら初期費用はおよそ2000円~3000円になります。とりあえず試すネコ対策としては、手軽と言えます。
以下で初期費用を約3000円とした理由を説明します。
一般的な戸建なら散布する面積は50平米以内
まず考えなければならないのは、忌避剤を散布する面積です。一戸建ての敷地面積は平均で約40坪です。そして住宅地での一般的な建蔽率は60%です。つまり40坪の土地では、24坪は建物のために使用し、残りの16坪が外構になります。つまり外構面積は約53平米(=16坪)になります。
臭いが気になるので、玄関周りには忌避剤を散布しないとしましょう。すると、一般的な戸建であれば忌避剤を散布する面積は50平米以内と考えられます。
面積×平米単価より、費用は2000~3000円程度
散布する面積が50平米、先ほど計算した 「犬猫まわれ右 粒剤」 の平米単価が 41円~56円/平米です。両者をかけると2050円~2800円になります。つまり初期費用の目安は2000円~3000円と言えます。
「犬猫まわれ右 粒剤」(850g)なら3本が目安
外構全体にフマキラーの「犬猫まわれ右 粒剤」をまくとすれば、 散布量の目安は50g/平米です。つまり1本で17平米分です。3本なら51平米分になります。一般的な戸建なら散布面積は50平米なので3本が目安になります。
忌避剤の気に入った点
忌避剤に関してわたしが気に入った点は以下の3つです。
- 初期費用が安い
- 外観にほとんど影響しない
- 狭い場所で無駄が生じない
初期費用が安い
先ほど説明したように、 フマキラーの「犬猫まわれ右 粒剤」を一般的な戸建で散布する場合、初期費用は2000円~3000円ほどです。
とりあえず始める対策としては手軽と言えるのではないでしょうか?
外観にほとんど影響しない
忌避剤は、小さな粒状の薬剤なので目立ちません。トゲトゲシートのようは存在感はないため外構の見た目にはほとんど影響しません。これは、わたしが散布したのが砂利の上だからかもしれません。
実際のところ粒剤が地面に長く残って気になったという口コミもあります。気になるなら、まずは試験的に少量を散布して様子を確認するほうが良いでしょう。
狭い場所で無駄が生じない
忌避剤は、散布する土地の形に影響を受けません。そのため狭い場所、細長い場所では超音波発生器より効率が良い場合もあります。
どういうことか説明します。
平均的な戸建では建物周辺スペースが狭い
住宅密集地などでは、敷地が狭く、建物周囲のスペースが狭いケースがあります。下の図は、7m×20mの土地(約40坪)に建物、駐車スペース、庭を配置したイメージです。
こうしたケースでは、建物周辺のスペース(赤い格子部分)の幅は1m未満になることも珍しくありません。
超音波発生器の検知範囲は扇型
超音波発生器が作動する検知範囲は、扇型に広がっています。ガーデンバリアの検知範囲は前方13m、両翼7mの野球場のような形をしています。検知範囲は約100平米と非常に広いです。
しかし、土地の形によっては、その検知範囲を十分に活かせないこともあります。
広いの検知範囲も狭い場所では無駄
ガーデンバリアを敷地の左下の角部分に設置した場合を下の図に示します。ガーデンバリアの検知範囲の大半を建物が塞いでしまいます。実際の検知範囲は黄色いわずかな部分だけになります。
忌避剤は土地の形に合わせて散布できる
一方で、忌避剤は建物周囲の細いコの字型の部分には、コの字型に散布すればよいだけです。ですから、忌避剤は幅の狭い土地などによる無駄がありません。
おわかり頂けましたでしょうか?
忌避剤の気に入らない点
忌避剤に関してわたしが気に入らない点は以下の4点です。
- 2~4週毎の散布が面倒くさい
- 年間費用は高い
- ニオイが気になる人もいる
2~4週毎の散布が面倒くさい
忌避剤は時間とともに臭いが弱くなります。2~4週毎に散布する必要があります。月に1回ならまだしも2週間毎ともなるとかなり面倒くさいです。
これに対して超音波発生器も電池交換は概ね2-6カ月ごとで済みます。また、トゲトゲシートは一度設置すれば、維持する手間は殆どありません。
年間費用は高い
忌避剤は導入する際の初期費用は安いです。しかし忌避剤は繰り返し散布が必要です。そのたびに初期費用と同程度の費用がかかります。
平均的な戸建て(敷地面積40坪)であれば、初期費用は2000円~3000円程度と先ほど述べました。1回3000円だとすると、4週毎に散布するだけでも年間39000円にもなります。もし2週間毎なら年間78000円です。
これに対して、超音波発生器のガーデンバリアは1台8000円~10000円前後で入手可能です。ガーデンバリアが1日20回作動する場合、1年間の電池代は1台当たり約2000円です。ですから、「ガーデンバリア1台+1年分の電池」で約10000円~12000円になります。
ガーデンバリアを4台導入したとしても、2年目以降の費用は電池代だけです。そう考えるとガーデンバリアのほうが安くつく可能性が高くなります。
トゲトゲシートなら、「ここダメシート」の導入費用は1400円~1900円/平米です。しかも一度設置すれば、樹脂が劣化しない限りその後の維持費は殆どかかりません。
忌避剤の年間費用が気になるなら、忌避剤を散布する範囲を厳選するなどの対策が必要になってきます。
ニオイが気になる人もいる
忌避剤は、ネコを臭いで不快にさせます。臭いは製品によって様々ですが、気になる人は気になる臭いです。臭いの好き嫌いは個人差も大きいですから一概には言えません。結局は好みで選ぶことになります。
例えばフマキラーからは「犬猫まわれ右」のほかに「強力 猫まわれ右」という製品も出ています。「強力猫まわれ右」 はネコ対策に特化しているメリットがあります。
しかし、湿布のような臭いがきついです。個人的には「犬猫まわれ右」を選びました。ですが好き嫌いは個人差があるので、「強力猫まわれ右」の臭いのほうが受け入れやすい方もいると思います。
また、わが家の子供たちは臭いに敏感なタイプです。ですから子供たちが出入りするアプローチや庭に忌避剤を散布するのは断念しました。
効果的にネコを撃退するための提案
自宅に侵入するネコの様子を分析していて気付いたのは、ネコの滞在時間が長い場所と短い場所があることです。つまり、単なる「通り道である場所」と、ネコがリラックスする場所つまり「お気に入りの場所」があります。
忌避剤でお気に入りの場所を不快に
やはり、滞在時間の長い場所に散布するほうが費用対効果が高くなると思われます。ネコのお気に入りと思われる場所には重点的に忌避剤を散布しましょう。
複合的な対策でもっと不快に
とはいえ、お気に入りの場所へのネコの執着心は強いです。ネコは簡単には諦めません。こちらも根気よく対策を続けましょう。可能であれば、忌避剤と超音波などを2種類の対策を組み合わせることで、ネコにとって非常に不快な環境を作り出しましょう。
クローズ外構なら障害物をネコの足場に設置
一方で、単なる通路では忌避剤の効果は低いでしょう。忌避剤の平米単価を考えると「ネコの通路」への散布は見合わせても良いと思います。
そのかわり、ネコの通路には維持費がかからない障害物を設置しては如何でしょうか?とくにクローズ外構の場合、ネコが侵入する通路、なかでも特に重要な足場を特定しやすいので、検討の価値があります。
トレイルカメラでの分析も重要
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とあるように、敵に勝利するには敵を分析することが大切です。トレイルカメラでネコの行動を分析すれば、お気に入りの場所、重要な足場、などを特定できます。また自分が実施した対策の効果や弱点も確認できます。
まとめ
ネコ撃退グッズには、臭いで撃退する忌避剤もあります。初期費用は手ごろですが、定期的な散布を考慮すると、長期的な費用は高くなります。ただし、地面の形に影響を受けないので、細長い場所でも効率が落ちません。
費用が気になるなら、散布する場所を厳選するなどの工夫が必要です。散布範囲を限定する分は、超音波発生器などで補いましょう。複数の対策を組み合わせることで相乗効果も狙えます。また、超音波発生器やトゲトゲシートは維持費が安いというメリットもあります。
ヒトでも臭いは好き嫌いが分かれます。なるべく好みの臭いを選んだほうが、自分が不快にならずに済みます。臭いに関しては、家族の好みにも配慮してあげましょう。
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