三菱ガス化学の株を買ってみた。その理由

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三菱ガス化学の株を買った

わたしは基本的にETFで投資をしています。個別株は殆ど持っていません。ですが、今回、三菱ガス化学の株を買ってみました。といっても、わずか100株、投資金額にして191,200円です。

業績や財務状態をきちんとチェックもしていません。ただ、世界情勢の変化に乗っかってみようと思ったのです。

詳しい理由は、下記をご参照ください。

三菱ガス化学(株)とは

三菱ガス化学は、化学薬品・化学製品などを扱う企業です。おもに天然ガスを原料にした化学製品を扱っています。

三菱ガス化学の主な事業

三菱ガス化学の公式サイトによると、「メタノール、過酸化水素、高機能エンジニアリングプラスチックス、MXDA・MXナイロンといった化学品・素材製品、さらには発泡プラスチック、エレクトロニクスケミカル、光学材料、半導体パッケージ材料、脱酸素剤エージレス®といった機能製品まで、幅広く多様な事業を展開」しています。

超純過酸化水素ではトップ企業

超純過酸化水素は、半導体製造に欠かせない薬品です。主な用途は「高性能半導体製造時の洗浄液」や「研磨や回路を書き込む『エッチング』などの工程」(#1)です。

三菱ガス化学は、超純過酸化水素において「世界シェア約5割を握るトップ企業」(#1)です。

三菱ガス化学は米国で大型投資に踏み切った

2022年、三菱ガス化学は「米国で大型投資に踏み切る」(#1)ことを決定しました。

超純過酸化水素を増産

具体的に言うと、超純過酸化水素の増産です。三菱ガス化学は「500億円規模を投じ、今後10年間で生産量を3倍近くに増やす」(#1)のです。

米国で相次ぐ半導体工場新設が背景

三菱ガス化学が米国で超純過酸化水素の増産に踏み切る理由は、「米国で相次ぐ半導体工場の新設」(#1)です。たとえば「米インテルはオハイオ州に2工場の新設を決め」(#1)、「韓国サムスン電子もテキサス州で新工場建設の計画を公表済み」(#1)です。

そしてその背景には米政府による巨額の補助金があります。

米国の巨額補助金

半導体の生産・研究に7兆円を投じる

米議会上院は2022年7月27日に半導体産業に対する補助金法案を可決しました。その規模は「527億ドル(約7兆1000億円)」(#3)にもなります。

これにより「米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子が米国に先端半導体の工場建設を表明」(#3)しています。

米国はどうしてこれほど巨額の補助金を投じることを決めたのでしょうか?

ポイントとなるのは以下の3点です。

  • 半導体は21世紀の石油
  • 台湾が先端半導体を独占
  • 台湾有事のリスク

半導体は21世紀の石油

「最近『半導体は21世紀の戦略的化石燃料』という新しいうたい文句が浸透しつつある」(#7)そうです。

つまり、21世紀における半導体は、20世紀における石油と同じくらい地政学的な影響力を持っているということです。

半導体による新たな地政学

半導体は、「最新技術を使う産業には必ずと言っていいほどその安定供給が欠かせない」(#7)です。ですから半導体は経済成長に極めて重要な物資と言えます。

また、「軍用機器で半導体の重要性がたかまっている」(#7)ことも忘れてはいけません。

ところが、それほど重要な半導体が米国内ではあまり生産されていないのです。

台湾は先端半導体をほぼ独占

半導体は回路幅が細かいほど高性能で消費電力も少なくなります。2022年時点では、回路幅が10ナノメートル未満の半導体の製造には特に高い技術が必要です。このような高度な技術が必要な半導体を先端半導体と呼びます。

先端半導体の生産能力を企業別にみると台湾急積体電路製造(TSMC)が先行」しています(#2)。そして「スマートフォンなどに使う回路幅10ナノメートル未満の半導体生産能力は、台湾が世界シェアの9割を占め」ています(#4)。

そして「米議会と米経済界は先端半導体のほぼ全てが現在、台湾で生産されているという事実に警戒感を募らせていた」のです(#7)。

そして「『半導体を台湾に頼るのは危険で、米国で生産しないといけない』との認識が与野党で急速に広まった」のです(#5)。

米国が台湾への依存に危惧を覚えたのは、なぜでしょうか?

台湾有事のリスク

米国が半導体を台湾に依存することに危機感を覚えるのは、中国による台湾侵攻のリスクを考慮しているからです。実際に「2025年にも武力統一の試みが発生しかねないとの分析がある」(#4)のです。

「米国は台湾、韓国について中国との地理的近さや経済的結びつきの強さに警戒感を強め」ています(#6)。

距離が近いと、中国に侵攻を受けるリスクが高くなる。また、経済的メリットによって中国になびくこともあり得る。と言うことでしょう。

米国はアメリカ大陸で完結したい?

ここで、わたしの独断と偏見で「米国の気持ち(?)」になって考えてみたいと思います。

日本も危ない

米国は日本で生産する半導体関連物資についても危惧していると思います。

日本と中国の距離も決して離れているとは言えません。工作員や弾道ミサイルなどで日本国内の工場を破壊することは決して難しくないでしょう。

であれば、米国としては「超純過酸化水素」以外にも「フッ化水素」、「フォトレジスト」、「シリコンウェハ」、「半導体製造装置」など、あらゆる物資をアメリカ大陸で生産したいのではないでしょうか。米国に工場を新設するよう働きかけ(という名のおどし?)が続くと思います。

「日米共同で・・・」とか言っていますが、F2戦闘機開発の事例をみても、日本が保有する技術について提供を求められるケースは大いにあると思います。

最終的には、半導体関連産業を根こそぎ米国が持っていく気がします。

欧州とて安心できない

オランダには半導体製造装置大手のASMLがあります。ですから、当面は欧州と北米で連携して半導体の供給体制を安定させることを目指すでしょう。でも、欧州もいつ戦場になってもおかしくないです。

過去の歴史を振り返ると、欧州の大国とロシアが直接に接するとロクなことがありません。そして北欧やウクライナがNATOに加盟するという状況は・・・・ という訳です。

やはり、安心できるのはアメリカ大陸だけです。

国策に乗った企業を優遇と予測

米国による半導体産業の国内回帰政策が上手くいくかは不明です。米国で半導体を作るコストは「台湾や韓国より3割高い」(#5)とされているからです。

それでも、米国は安全保障の観点から、方針を変えることは無いと私は考えます。米国が新しい冷戦を戦うつもりでいるのなら、そのための費用はまだまだ増大するでしょう。そうでなくても、少なくとも向こう数年は巨額の資金が米国内に投入されます。

米国は、自国の国策に率先して協力した企業は優遇するに違いありません。そうしないと後続の企業が出てこなくて、米国の政策が失敗するからです。ですから三菱ガス化学も優遇され、きっと売り上げを伸ばすと予想しました。

実際、どうなるかは今後のお楽しみです。

この記事は個別の銘柄について述べていますが、特定の行動を推奨するものではありません。投資はあくまで自己責任でお願いします。

<参考文献>

#1 「半導体薬品、米で増産」(日本経済新聞2022/8/4朝刊)
#2 「次世代半導体、日米、量産へ共同研究」(日本経済新聞2022/7/29朝刊)
#3 「米の半導体補助金法案 上院可決、7兆円へ前進」(日本経済新聞2022/7/29朝刊)
#4 「日米、『脱中国依存』探る」(日本経済新聞2022/7/30朝刊)
#5 「米、半導体工場誘致へ前進」(日本経済新聞2022/7/30朝刊)
#6 「IBM・インテルも来るか」(日本経済新聞2022/8/4朝刊)
#7 「米、半導体で巻き返せるか」(日本経済新聞2022/8/3)

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