概要
駐車場出入口の歩道上に一時停止中に、左折車(路外進出車)に衝突されました。事故の瞬間は下のgifアニメでご確認ください。ファイルサイズの都合上、画質を落としていますが、ご容赦ください。
こうした事故の過失割合をネットで調べてみました。しかし、ネット上では過失割合の参考になる情報が見つかりませんでした。そこで、わたしの事例が参考になれば幸いと考え、ご紹介させていただきます。
結論を言いますと、このケースの過失割合は10-0(相手に10割)で決着しました。ドライブレコーダーの画像が決定的な役割を果たしてくれました。しかし画像がなかったら10-0にはならなかった可能性が高いです。
事故の状況
幸いにも、事故の様子はドライブレコーダーに記録されていました。事故の状況は、下図のようになります。
簡単に言うと、道路進入車(私)と路外進出車(相手)の事故になります。状況を文字でざっと説明すると以下の通りです。
- 環境: 片側3車線道路に接続する上下2車線の駐車場出入口
- 自分: 駐車場出入口から歩道へ徐行進入
- 相手: 車道(第二車線?)から左折して歩道に進入(路外進出)
- 衝突場所:歩道上
場所:片側3車線道路に接続する駐車場出入口
まず、周辺の状況を詳しく書きます。
道路は片側3車線(上下6車線)の幹線道路です。第一車線左にかなり広い路側帯があり、路側帯の左には歩道があります。
駐車場出入口は片側1車線(上下2車線)で、歩道にほぼ直角に接しています。歩道手前には停止線があります。
自分は歩道に徐行進入
つぎに、自分の状況を説明します。
自車は、駐車場出入口通路の左車線を走行。歩道手前の停止線で一時停止したのち、徐行で歩道中ほどまで進入。一時停止のためブレーキを踏みました。
目的は、「歩行者・自転車等に自車の存在をアピールしつつ、歩道を完全にふさがない位置」で歩道上の安全確認を再度行うためです。
ブレーキを踏みこんだ時点では、相手の車を認識していません。
そして、自分の車が完全に停止する約2秒前に、相手がわたしの視界に飛び込んできました。
わたしが相手を認識した直後、自車は完全に停止しました。そして、その直後に相手と衝突しました。
相手は左折で路外進出
ドライブレコーダーに相手が最初に映った時点では、まだ半分以上第二車線に入っているように見えます。ただし、車の後ろ側は撮影範囲外でした。
相手はそのまま路側帯に進入しました。
右フロント・サスペンションの沈み込み具合や、車内に吊ったアクセサリーの振られ具合からも、かなりの急ハンドル・急制動に思えます。
また、事故相手のすぐ後ろにには、車両(図では緑色)が写っています。相手の車(赤)が、第一車線の車両(緑)の前に強引に割り込む形にも見えます。
衝突場所は駐車場出入口および歩道
そして、おおきく膨らんで左折してきた相手の車が、自車の右前方から突っ込んできました。衝突したのは歩道上です。自車の全長を考えれば後ろ半分以上は駐車場通路内の左車線にあったはずです。
以上が事故の概要です。
事故直後に心配したこと
事故直後に心配したとは、以下の3つです。
- 過失割合
- 後から来る体の痛み
- 車体フレームの損傷
ここでは、1つめの心配事である「過失割合」について掘り下げます。
「過失割合」とは
過失割合とは、発生した交通事故に対して当事者にどれぐらい責任があるかを示したものです。 例えば、相手に7割、自分に3割という具合です。
交通事故によって生じた損害は、当事者それぞれが、自分の過失割合分を負担することになります。過失割合は、過去の判例などをもとに個別に決定されます。
それでは、今回の事故での過失割合に関する保険会社の見解を紹介します。
保険会社(自分側)の見解:画像を見るまでは冷ややか
保険会社(自分側)の反応をご紹介します。
最初は否定的な反応
保険会社(自分側)から電話があり、事故状況を確認されました。そこで下記のように状況を説明しました。
- 自車は歩道手前で一時停止
- 歩道に徐行で進入
- 自車は歩道途中で一時停止
- 完全停止の約1秒後に左折してきた車が衝突
状況を説明したあと、保険会社の担当者には、「過失割合がどれくらいだと考えているのか」と確認されました。
「自分には過失がないと思う。」と伝えたところ、わりと思いの外、私にとってはつらい反応が返ってきました。担当者さんいわく・・・
- 「10-0」を主張するなら、相手の保険会社との間に入ることは出来ない。
- 「10-0」だという想いは、相手の保険会社に直接ぶつけてください。
- 珍しい事例であり、過失割合を推定できる資料がない。判例を調べる。
- 過失割合は、思いもよらぬ結果になるかもしれない。
過失割合で「10-0」を主張する場合、保険会社が介入できないのは法律的な理由によります。(コメントでご指摘いただいた方にはお礼申し上げます)。その点は仕方のないことです。
しかし、過失割合についても、かなり慎重な発言が目立ち、はっきり口にされませんでしたが、「『10-0』は難しい」と匂わせるニュアンスをかなり私は感じました。
推測ですが、わたしが事実をゆがめた主張をしている可能性を警戒していたのだと思います。「無理のある主張には、余計な言質を与えたくない。」という印象でした。
率直な印象としては、「話半分の扱いで聞いている」感じでした。それでも、私から何度もお願いして、とりあえずドライブレコーダーの画像を確認して貰うことにしました。
映像確認で反応は好転!
画像を確認して貰った後、保険会社(自分側)の見解は好転しました。担当者さんいわく・・
- 社内での検討で過失割合は「10-0」が妥当。
- 相手の保険会社にわが社が連絡を取り、意向を確認してみる。
- 相手に画像を見せたい。許可が欲しい。
ということでした。
わたしは、相手の保険会社に画像を見せることに同意しました。
相手の保険会社の反応
ほどなくして、保険会社(自分側)から連絡がありました。
相手の保険会社の見解は、次のようなものでした
- 過失割合は「10-0」で異存ない。
- 代車費用は負担しない。
こちらに過失がないにもかかわらず、「代車費用は出さない」とはどういう了見でしょう。ドライブレコーダーの画像を確認したうえでの主張です。怒りがこみ上げてきます。
ここからひと悶着ありましたが、結果的には代車費用も負担していただけることになりました。
その経緯は、いずれ別の記事にしようと考えています。
その後、保険会社(自分側)からこのような通知が来ました。相手側の保険会社が100%支払うので、自分側の保険会社からの支払いはない、という通知のようです。
考察
ドライブレコーダーの画像で、保険会社の見解は大きく変化しました。わたしは、できる限り事実を正直に伝えたつもりですが、画像の有無で、証言の信ぴょう性は全く違うと実感しました。
そもそもドライブレコーダーの画像がなかった場合、わたしの主張には証拠がないわけです。さらに、相手が事実と異なる主張を展開しても、それを否定する術もありません。
もし仮に、「わたし」が突然車道に飛び出してきた、と相手が主張した場合、その主張での過失割合は「わたし」7:「相手」3が基本線となります。わたしが「10-0」を主張しても、決して受け入れられなかったでしょう。
ドライブレコーダーの画像が残っていて本当に良かったです。
コメント
ご自身の保険会社の対応について、僭越ながらコメントさせて頂きます。
無過失主張の際にご契約の保険会社が介入できないのは、保険会社がご自身の主張に否定的だからではなく、弁護士法の非弁行為に該当してしまうからです。
通常、損害賠償請求などの法的な交渉への介入が許されるのは、当事者を除くと弁護士のみです。(無償の場合にはこの限りではありませんが、ここでいう無償とは直接的な金銭のやり取りがないということだけでなく、間接的な利益関係も無いことが求められます。)
詳細な説明は割愛しますが、保険会社は事故の相手方に直接請求権(事故のお相手がご自身の保険会社に直接保険金を請求する権利)を認めることを根拠として、弁護士法に抵触せずに相手方と交渉することが出来るようになっています。
しかし、無過失を主張するということは相手の損害賠償請求権を認めないと言うことですから、その主張の限りにおいては相手方が直接請求権を行使することは無いことになります。このような場合、保険会社は示談代行を実施する根拠(=直接請求権)を失ってしまうため、保険会社が当事者に代わって示談交渉をすることが出来なくなってしまうのです。
拙い文章で恐縮ですが、ご参考になれば幸いです。
コメントありがとうございます。ご指摘いただきました内容を参考に、表現内容を一部訂正させていただきました。