投資の基本は分散投資です。
株式、債券、貴金属、現金、不動産などに分散しましょう。
債券投資と言っても何に投資すればよいのか・・・
債券の中でもメジャーなのは米国債ですね。
うーん。
米国債だけでも色々あってよくわかりませーん。
債券については、わたしは米国債のETFであるTLTを中心に投資しています。
ただ、TLTはすぐれたETFだと思いますが、単独では高リスクなので注意が必要です。
詳しく教えてください!
最近は、外国の株式市場で資産運用する方も非常に多くなっています。しかし資産運用を始めたばかりの頃は、何に投資すればよいのか見当もつかないこともあります。
資産運用では株・債券・金などに分散投資するのが基本ということは、みなさんも聞いたことがあるでしょう。とはいえ、どの債権に投資するのかを選ぶのはやはり難しいものです。
ここでは米国国債に特化したETFであるTLTについて解説します。その特徴を踏まえて、わたしのTLT活用法も紹介します。
TLTの5つの特徴
そもそもTLTとは何でしょう。ご存じない方のために簡単に解説します。TLTの特徴はおもに以下の5つです。
- 残存期間20年超の米国国債に連動するETF
- 国債のETFとしては比較的リターンが大きい
- 国債のETFとしてはリスクが大きい
- TLT価格は金利と逆相関する
- TLTは株式と組み合わせるのが基本
わたしはTLTをSBI証券で購入しています。
TLTは20年超の米国長期国債に連動
TLTはブラックロック社の運用するETF(上場投資信託)のひとつです。TLTは残存期間20年超の米国長期国債に連動するETFになります。
債券のETFはたくさんありますが、TLTは米国の長期国債に特化した商品になります。
国債のETFとしては比較的リターンが大きい
ブラックロック社のホームページによるとTLTのトータルリターン(年率)は3年で9.9%、5年7.94%、10年で8.10%にもなります(2020/12/31時点)。
バンガードの運用する長期債券(国債以外も含む)のETFであるBNDのリターン(3年で5.7%、5年で3.8%、10年で4.3%(2021/1/31時点))と比較しても優秀です。
このように、国債への投資でありながら、比較的大きなリターンを望めるのがTLTの特徴です。(ただし、トータルリターンは税引前分配金を再投資したものとして算出されています。)
国債のETFとしてはリスクが大きい
債権というと、価格変動が少なく安定しているのが普通です。しかしTLTは激しい値動きが特徴です。そしてTLTは金利に大きな影響を受けます。
下のグラフは水色がTLT、オレンジがBND(米国トータル債券市場ETF)の価格推移を示しています。
BNDは債権らしい値動きの少なさ=安定感が特徴です。BNDに比べ、TLTは価格変動の大きさが際立ちます。
単体で考えるとTLTは債権のETFとしてはハイリスクで、リターンはそれなりな商品です。
国債なのにハイリスクなんですね?
短期国債はローリスク、長期国債はハイリスクと考えるのが一般的です。
TLT価格は金利と逆相関する
TLTの価格は金利に影響されます。
具体的には、どのように影響されるんですか?
金利が下がるとTLT(や債権)の価格は上昇します
逆に、金利が上がるとTLT(や債券)の価格は低下するわけですね。
簡単に言うと、金利が上昇するとTLT価格が低下し、金利が低下するとTLT価格が上昇します。これはTLTに限らず債券全般に言えることです。簡単に説明します。
1年後に償還される、額面が$100の債権があったとします。つまり1年後に$100になる債券です。現在の売買価格はいくらでしょうか?
金利が10%/年の場合、現在の価値は約$90.9です。なぜなら$90.9に10%の利息($9.09)が付くと約$100($99.99)になるからです。
金利が1%だと、現在の価値は約$99です。なぜなら$99に1%の利息($0.99)が付くと約$100($99.99)になるからです。
実際のチャートを見てみましょう。水色がTLT、オレンジが10年債利回りです。利回りとTLTの価格が全く逆の動きをしていることは一目瞭然です。
TLTは株式と組み合わせるのが基本
TLTが役立つのは株式と組みあわせる時です。下図のダウ平均株価とTLTの株価の推移をみれば、ダウ平均が下落する時にTLTが上昇している様子がわかります。
TLTは株価下落局面に強いため、株式投資と組み合わせることで、全体としての資産の安定性を向上させることができます。
実際、2020年のコロナショックの際には、TLTが大きく値上がりして、株式の含み損をカバーしてくれました。
TLTの強みは、このように株価とある程度の逆相関がみられることです。
でも2020年3月には、TLTも急上昇後に割と急降下していますよね?
実際に瞬間的にはこのグラフ以上の急落をしてます。
あまりにも急激な変動過ぎてグラフに反映しきれていません。
瞬間的にはTLTですら10%ほど含み損になりました。
株価下落にやや遅れてTLTも(暴騰後に)一瞬反落したんですね?
どうしてですか?
先の見通せないコロナショック当時では、長期国債はリスクが高すぎるという判断でしょう。
現金化したり、短期国債に乗り換える動きがあったと思います。
TLTと株の組み合わせも絶対安心ではないということですね。
そうです。
国債への投資としては高リスク商品であることを忘れてはいけません。
わたしのTLT活用法
それでは、わたしのTLTを中心とした債券・現金の運用法をご紹介します。
わたしの資産運用は基本的には積立て投資です。しかし年に1-2回はバランス調整を行うことがあります。なお、資産運用している資金の40-50%は現金か債券にしています(そして50%前後を株式、5%前後を金に投資)。
金利が高い時=TLTが安い→TLT積み増し
米国債(10年物)の利回りが高いときはTLT価格は割安となっているため、積極的にTLTを買い増しします。私自身は2%以上を高金利の目安にしています。
金利が高ければ、利息だけでそれなりのリターンが得られます。また将来的に金利が低下するとTLT価格は上昇するため含み益が膨らむことが期待できます。
また、頃合いを見てBNDからTLTへの資金移動も行います。
金利が低い時=TLTが高い→BNDなどを積み増し
米国債(10年物)の利回りが低く、今後の金利上昇が見込まれる局面ではTLTの購入は控えます。その時点ではTLT株価が割高で、しかも将来的にはTLT価格が下落する可能性が高いからです。
TLTを購入する代わりに、その資金は価格変動の少ないBND(米国トータル債券市場ETF)やMMF、あるいは現金そのものに振り分けます。割安な株式に振り分けるのもアリです。
BNDはTLTほど激しい値動きをしないため、金利上昇局面でも損失がかなり抑えられます。MMFも格付が高い、短期の国債や地方債、社債などで運用される投資信託で、元本割れのリスクが小さいです。
また、頃合いを見てTLTからBNDやMMFへの資金移動(バランス調整)も行います。
TLTとBNDをつかった債券での資産運用を図に表すと下のようになります。
より積極的な運用をする方なら、高騰したTLTから暴落した株式に資金を移動することもあり得ます。
この記事では個別の銘柄に触れていますが、投資はあくまでも自己責任でお願いします。
わたしはTLTをSBI証券で運用しています。興味がある方は下のバナーからどうぞ。
この記事は、わたしの個人的な投資方針を解説したものです。あくまでも投資は自己責任でお願いします。
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